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令和3年版 犯罪白書 第8編/第3章/第3節/1

第3節 詐欺被害者
1 詐欺
(1)被害件数

詐欺(被害者が法人その他の団体である場合を除く。以下(1)において同じ。)の男女別の認知件数及び被害発生率(人口10万人当たりの認知件数をいう。以下(1)において同じ。)の推移(最近20年間)を見ると,8-3-3-1図のとおりである。認知件数については,平成23年以降は,女性が男性を上回っており,13年には,女性が男性の約2分の1であったが,令和2年は,女性が男性の約1.3倍であった。被害発生率については,男性は,平成17年に68.9に達したが,その後大きく低下し,近年はおおむね20前後で推移している。女性は,23年以降,男性を上回って推移しており,近年はおおむね20台で推移している。

8-3-3-1図 詐欺 認知件数・被害発生率の推移(男女別)
8-3-3-1図 詐欺 認知件数・被害発生率の推移(男女別)
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平成13年・23年・令和2年における詐欺の認知件数について,主たる被害者の年齢層別構成比を総数・女性別に見ると,8-3-3-2図のとおりである。認知件数に占める主たる被害者の年齢が65歳以上の者に係るものの構成比は,総数・女性共に,令和2年(47.0%,58.3%),平成23年(36.8%,48.9%),13年(17.6%,25.2%)の順に高くなっている(なお,特殊詐欺(本章第1節1項(3)参照)の認知件数が増加した時期が平成15年頃以降であることに留意する必要がある。)。令和2年の主たる被害者の年齢が65歳以上の者に係る件数は,総数では1万389件,女性では7,238件であるが,そのうち70歳以上の者に係る件数は,それぞれ8,986件,6,598件であった。

8-3-3-2図 詐欺 被害者の年齢層別認知件数構成比
8-3-3-2図 詐欺 被害者の年齢層別認知件数構成比
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(2)被害者と被疑者の関係

平成13年・23年・令和2年における詐欺の検挙件数(捜査の結果,犯罪が成立しないこと又は訴訟条件・処罰条件を欠くことが確認された事件を除く。)について,被害者と被疑者の関係別構成比を見ると,8-3-3-3図のとおりである。面識あり(知人・友人,職場関係者等)の構成比は,平成13年は17.9%であったが,23年は10.8%,令和2年は10.2%となっている。

8-3-3-3図 詐欺 被害者と被疑者の関係別検挙件数構成比
8-3-3-3図 詐欺 被害者と被疑者の関係別検挙件数構成比
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(3)被害額

詐欺(被害者が法人その他の団体である場合を含む。)について,認知件数及び被害額の推移(最近20年間)を見ると,8-3-3-4図のとおりである。認知件数は,平成17年(8万5,596件)をピークとして減少し,近年は4万件前後で推移していたが,30年から更に減少し,令和2年は3万468件(前年比5.4%減)であった。被害額は,平成20年に700億円台に達した後,400億円台に減少したが,24年に800億円台に至り,26年には約846億円に達した。その後は,減少傾向にあったが,令和2年は約640億円(同36.3%増)であった。現金被害額は,平成26年に約810億円に達した後は減少し続けていたが,令和2年は約592億円(同39.1%増)であった。

8-3-3-4図 詐欺 認知件数・被害額の推移
8-3-3-4図 詐欺 認知件数・被害額の推移
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