主な特別法犯の検察庁新規受理人員の推移(最近20年間)は,1-2-2-1図のとおりである。なお,交通犯罪,薬物犯罪,財政経済犯罪及びサイバー犯罪については,第4編第1,2,4及び5の各章をそれぞれ参照。
銃刀法違反は,平成21年(6,989人)をピークに一時減少傾向となったが,24年以降はおおむね横ばいとなっており,令和2年は5,823人(前年比0.5%増)であった(CD-ROM資料1-4参照)。なお,3年6月,同法が改正され(令和3年法律第69号),人の生命に危険を及ぼし得る威力を有するクロスボウについて,所持の禁止の対象とするとともに,所持許可制に関する規定を整備し,不法所持に対する罰則の新設等が行われた(4年3月までに施行)。
廃棄物処理法違反は,平成19年(8,879人)をピークに20年以降は7年連続で減少し,27年以降はおおむね横ばいで推移していたが,令和2年は7,665人(前年比8.8%増)であった(CD-ROM資料1-4参照)。なお,平成29年6月,同法が改正され(平成29年法律第61号),産業廃棄物管理票の交付・写し送付・回付義務違反,虚偽交付,虚偽記載,写し保存義務違反等産業廃棄物管理票に関連する罰則の法定刑の引上げ等が行われた(30年4月施行)。
風営適正化法違反は,平成19年(4,900人)をピークに減少傾向にあり,令和2年は1,570人(前年比17.5%減)であった(CD-ROM資料1-4参照)。
児童買春・児童ポルノ禁止法違反は,平成11年の同法施行後増加傾向にあり,特に24年以降7年連続で増加していたが,令和元年から減少し,2年は3,064人であった(前年比9.8%減)(CD-ROM資料1-4参照)。なお,平成26年6月,同法が改正され(平成26年法律第79号),児童ポルノをみだりに所持することなどが一般的に禁止されたほか,児童ポルノの製造の罪について盗撮の場合にも処罰対象になるとともに(同年7月施行),自己の性的好奇心を満たす目的で児童ポルノを所持することなども処罰対象とされた(27年7月適用開始)。
なお,配偶者暴力防止法違反については第4編第6章第2節,ストーカー規制法違反及びいわゆるリベンジポルノ等の行為を処罰することなどを内容とする私事性的画像被害防止法違反については同章第3節をそれぞれ参照。
令和2年における公職選挙法(昭和25年法律第100号)違反の検察庁新規受理人員は,前年の720人から566人に減少した(CD-ROM資料1-4参照)。
令和2年における各種選挙違反の検挙人員は,前年の640人から45人に大幅に減少した。違反態様別に見ると,「文書図画に関する制限違反」が14人(31.1%)と最も多く,次いで,「選挙の自由妨害」10人(22.2%),「買収,利害誘導」9人(20.0%),「運動期間の違反」5人(11.1%)の順であった(警察庁の統計による。)。
なお,令和2年6月には,公職選挙法が改正され(令和2年法律第41号),住所要件を満たさない者の立候補を抑止するため,地方議会議員選挙の立候補の届出書に添付する宣誓書の宣誓内容に「当該選挙の期日において住所要件を満たす者であると見込まれること」が追加され,上記宣誓内容に虚偽があった場合についても処罰対象とされた(同年9月施行)。