覚醒剤取締法違反(覚醒剤に係る麻薬特例法違反を含む。以下この項において同じ。)の検挙人員(特別司法警察員が検挙した者を含む。)の推移(昭和50年以降)は,4-2-1-1図のとおりである。昭和期から見てみると,まず,29年(5万5,664人)に最初のピークを迎えたが,罰則の強化や徹底した検挙等により著しく減少し,32年から44年までは毎年1,000人を下回っていた。その後,45年から増加傾向となり,59年には31年以降最多となる2万4,372人を記録した。60年からは減少傾向となったが,平成6年(1万4,896人)まで小さく増減を繰り返した後,7年から増加に転じ,9年には平成期最多の1万9,937人を記録した。13年から減少傾向にあり,18年以降おおむね横ばいで推移した後,28年から毎年減少し続け,令和2年は8,654人(前年比0.9%減)であり,元年以降,2年連続で1万人を下回った(CD-ROM参照。なお,検察庁新規受理人員については,CD-ROM資料1-4参照)。
なお,覚醒剤取締法違反の成人検挙人員中の同一罪名再犯者の比率については,5-2-1-4図<1>参照。
覚醒剤取締法違反の年齢層別の検挙人員(警察が検挙した者に限る。)の推移(最近20年間)は,4-2-1-2図のとおりである。20歳代の年齢層の人員は,平成期に入って以降,平成13年まで全年齢層の中で最も多かったが,10年以降減少傾向にあり,令和2年(1,000人)は平成13年(6,280人)の約6分の1であった(CD-ROM参照)。30歳代の年齢層の人員も,14年から25年まで全年齢層の中で最も多かったが,13年以降減少傾向が続いている。40歳代の年齢層の人員は,21年から増加傾向にあり,26年以降全年齢層の中で最も多くなっているものの,28年から5年連続で減少している。50歳以上の年齢層の人員は,21年から毎年増加し,26年以降はほぼ横ばいで推移している。令和2年の同法違反の検挙人員の年齢層別構成比を見ると,40歳代の年齢層が最も多く(33.6%),次いで,50歳以上(29.1%),30歳代(24.4%),20歳代(11.8%),20歳未満(1.1%)の順であった。
なお,令和2年の覚醒剤取締法違反の検挙人員(就学者に限る。)を就学状況別に見ると,高校生が11人(前年比1人増),大学生が8人(同18人減)(20歳以上の者を含む。)であり,中学生はいなかった(同3人減)(警察庁刑事局の資料による。)。
4-2-1-3表は,令和2年に覚醒剤取締法違反により検挙された者(警察が検挙した者に限る。)のうち,営利犯で検挙された者及び暴力団構成員等(暴力団構成員及び準構成員その他の周辺者をいう。以下この項において同じ。)の各人員を違反態様別に見たものである。同年の営利犯で検挙された者の比率は5.8%であり,暴力団構成員等の比率は42.2%であった。
令和2年における覚醒剤取締法違反の検挙人員(警察が検挙した者に限る。)のうち,外国人の比率は,5.7%(480人)であった。国籍等別に見ると,平成22年から30年までは,韓国・朝鮮,フィリピン,ブラジルの順に多かったが,令和元年に韓国・朝鮮,ブラジル,フィリピンの順となり,2年は,韓国・朝鮮(123人,25.6%)が最も多く,次いで,ブラジル(94人,19.6%),フィリピン(75人,15.6%),ベトナム(64人,13.3%),タイ(21人,4.4%)の順であった(警察庁刑事局の資料による。)。