4-5-1-1図は,不正アクセス行為(不正アクセス禁止法11条に規定する罪をいう。)の認知件数の推移(同法が施行された平成12年以降)である。不正アクセス行為の認知件数については,増減を繰り返しながら推移し,令和2年は2,806件(前年比154件(5.2%)減)であった。
令和2年の不正アクセス行為の認知件数について,被害を受けた特定電子計算機(ネットワークに接続されたコンピュータをいう。)のアクセス管理者(特定電子計算機を誰に利用させるかを決定する者をいう。)別の内訳を見ると,被害は,「一般企業」が圧倒的に多く(2,703件),「行政機関等」は84件,「大学,研究機関等」は11件,「プロバイダ」は5件であった。また,不正アクセス行為後の行為の内訳を見ると,「インターネットバンキングでの不正送金等」が最も多く(1,847件,65.8%),次いで,「メールの盗み見等の情報の不正入手」(234件,8.3%),「インターネットショッピングでの不正購入」(172件,6.1%),「オンラインゲーム・コミュニティサイトの不正操作」(81件,2.9%)の順であった。「インターネットバンキングでの不正送金等」は前年と比較して39件(前年比2.2%)増加した(警察庁生活安全局,総務省サイバーセキュリティ統括官及び経済産業省商務情報政策局の資料による。)。
コンピュータ・電磁的記録対象犯罪(電磁的記録不正作出・毀棄等,電子計算機損壊等業務妨害,電子計算機使用詐欺及び不正指令電磁的記録作成等),支払用カード電磁的記録に関する罪(刑法第2編第18章の2に規定する罪)及び不正アクセス禁止法違反の検挙件数の推移(最近5年間)は,4-5-1-2表のとおりである。不正アクセス禁止法違反の検挙件数は,近年,増減を繰り返しており,令和2年は609件(前年比25.4%減)であった(CD-ROM参照)。
なお,罪名ごと(罪名別の統計が存在するものに限る。)の検察庁終局処理人員は,CD-ROM資料4-6参照。