この項では,調査結果の中から特に男女差が見られた事項を中心に紹介し,男女別の特徴を明らかにする。
調査対象者の属性等を男女別に見ると,7-6-2-11図のとおりである。
平均年齢は,男性44.5歳,女性41.7歳であり,男女共に40~49歳の者の割合が約4割を占め,最も高かった。最高年齢は,男性78歳,女性70歳であり,最低年齢は,男性22歳,女性24歳であった。
入所度数を見ると,男性は1度の者が約2割で,5度以上の者が3割を超えていたのに対し,女性は1度の者が3割を超え,5度以上の者は約1割であった。
調査対象事件における刑の一部執行猶予の有無を見ると,一部執行猶予の言渡しを受けた者の割合は,男性(23.8%)と比べて女性(30.8%)が顕著に高かった。
保護処分歴を見ると,男性の4割強,女性の2割強に保護処分歴があった。
就労状況を見ると,男性は,有職と無職が約半数であるが,女性は,無職が8割弱であった。
婚姻状況を見ると,男性は,未婚が約3割,有配偶が約2割であったのに対し,女性は,未婚が2割に満たず,有配偶は約4割であった。
なお,犯行時の身上(不詳の者を除く。)を見ると,単純執行猶予中の者は,男性13.4%(62人),女性21.3%(50人)で,女性の割合が顕著に高かった。
また,暴力団への加入状況(不詳の者を除く。)を見ると,男性では10.8%(50人)が加入していたが,女性の加入者はいなかった。
調査対象事件の態様(重複計上による。不詳の者を除く。)を見ると,「使用」が男性90.2%(406人),女性90.8%(207人)と男女共に最も高く,次いで,「単純所持」(男性36.7%(165人),女性34.2%(78人)),「譲受」(男性16.4%(74人),女性21.1%(48人))の順であり,男性では「譲渡」(4.9%(22人)),「営利目的所持」(3.6%(16人)),女性では「営利目的所持」(5.7%(13人)),「譲渡」(4.4%(10人))がそれに続く。
覚醒剤の入手先(重複計上による。不詳の者を除く。)は,「知人」が男性31.5%(141人),女性31.6%(72人)と男女共に最も高く,次いで,「連絡先を知っている密売人(携帯電話で連絡を取ったなど)」(男性30.9%(138人),女性26.3%(60人))の順であり,これらの割合は同程度であったものの,「連絡先を知らない密売人(路上で声をかけられたなど)」では男性19.7%(88人),女性7.0%(16人)と男性の割合が顕著に高く,「交際相手,配偶者」では男性0.7%(3人),女性20.6%(47人)と女性の割合が顕著に高かった。また,「暴力団関係者」については,男性13.9%(62人),女性12.3%(28人)であり,女性の暴力団加入者はいなかったものの,暴力団関係者から覚醒剤を入手した者は男女共に一定数いた。
覚醒剤を購入するための費用の調達方法(重複計上による。不詳の者を除く。)については,「自分の給料や小遣い」が男性76.4%(339人),女性50.0%(112人)と男女共に最も高く,次いで,「無料で入手した(配偶者や交際相手からの譲受を含む)」(男性13.5%(60人),女性45.5%(102人))の順であり,男性では「ギャンブル」(8.8%(39人)),女性では「公的扶助(生活保護費など)」(12.5%(28人))がそれに続く。女性と比べて男性の割合が顕著に高かった項目は,「自分の給料や小遣い」(男性76.4%(339人),女性50.0%(112人)),「犯罪による収益(窃盗など)」(男性6.5%(29人),女性2.2%(5人))及び「金融機関(銀行・消費者金融など)からの借金」(男性3.2%(14人),女性0.4%(1人))であったのに対し,男性と比べて女性の割合が顕著に高かった項目は,「無料で入手した(配偶者や交際相手からの譲受を含む)」(男性13.5%(60人),女性45.5%(102人)),「公的扶助(生活保護費など)」(男性6.3%(28人),女性12.5%(28人))及び「売春などによる収益」(男性の選択なし,女性3.6%(8人))であった。
発覚の端緒(重複計上による。不詳の者を除く。)については,男性では,「職務質問」が40.9%(178人)と最も高く,次いで,「自宅に対する捜索」・「別の犯罪で検挙されたこと」(いずれも20.9%(91人))の順であったのに対し,女性では,「自宅に対する捜索」が33.6%(74人)と最も高く,次いで,「職務質問」(27.3%(60人)),「別の犯罪で検挙されたこと」(13.6%(30人))の順であり,それぞれの項目で顕著な男女差が見られた。
検挙時の心情(重複計上による。)については,男性では,「家族・知人のことを思い出した」が62.8%(290人)と最も高く,次いで,「仕事のことを思い出した」(40.5%(187人)),「これで薬がやめられる」(37.7%(174人)),「運が悪かった」(27.9%(129人)),「刑務所に行くことになると思うと怖くなった」(26.6%(123人))の順であり,女性では,「家族・知人のことを思い出した」が78.5%(186人)と最も高く,次いで,「刑務所に行くことになると思うと怖くなった」(49.8%(118人)),「これで薬がやめられる」(45.1%(107人)),「運が悪かった」(24.5%(58人)),「仕事のことを思い出した」(23.2%(55人))の順であった。男性と比べて女性の割合が顕著に高かった項目は,「家族・知人のことを思い出した」,「刑務所に行くことになると思うと怖くなった」であり,女性と比べて男性の割合が顕著に高かった項目は,「仕事のことを思い出した」であった。
7-6-2-12図は,薬物乱用の生涯経験率について,薬物の種類別に見るとともに,これを男女別に見たものである。
生涯経験率は,男女共に有機溶剤(男性61.0%,女性58.6%)が最も高く,次いで,大麻(男性52.7%,女性52.7%),処方薬(男性29.0%,女性44.2%)の順であった。処方薬(男性29.0%,女性44.2%)及び危険ドラッグ(男性22.5%,女性34.4%)については,いずれも男性と比べて女性の生涯経験率が顕著に高かった。
7-6-2-13図は,薬物の乱用開始年齢層について,薬物の種類別に見るとともに,これを総数・男女別に見たものである。
覚醒剤では,女性の47.4%が20歳未満から乱用を始めており,男性の35.1%と比べて顕著に高かった。処方薬では,女性の74.4%が30歳未満で乱用を始めており,男性の55.4%と比べて顕著に高かった。また,薬物間で各乱用開始年齢層の割合を比較すると,20歳未満で乱用を始めた者の割合は,男女共に,有機溶剤(男性97.4%,女性99.2%)が最も高く,次いで,ガス(男性87.0%,女性92.9%)であり,男性では市販薬(50.0%),女性では大麻(49.6%)がそれに続く。20~29歳で乱用を始めた者の割合は,男性では,覚醒剤(48.3%)が最も高く,次いで,コカイン(47.4%),ヘロイン(44.8%)の順であり,女性では,処方薬(57.8%)が最も高く,次いで,コカイン(42.3%),MDMA(40.8%)の順であった。30~39歳で乱用を始めた者の割合は,男女共に,危険ドラッグ(男性26.3%,女性34.3%)が最も高く,次いで,ヘロイン(男性24.1%,女性30.8%)であり,男性では処方薬(21.5%),女性ではコカイン(28.8%)がそれに続く。40歳以上で乱用を始めた者の割合は,男女共に,危険ドラッグ(男性29.5%,女性30.0%)が最も高く,次いで,処方薬(男性23.1%,女性7.8%),MDMA(男性14.3%,女性6.1%)の順であった。
なお,覚醒剤を含め,何らかの薬物乱用を開始した平均年齢は男女共に18.7歳であった。
7-6-2-14図は,薬物の乱用期間(各薬物を初めて乱用した年齢から最後に乱用した年齢までの期間をいう。)について,薬物の種類別に見るとともに,これを総数・男女別に見たものである。
乱用期間が5年以上にわたる者が占める割合を見ると,男女共に覚醒剤(男性91.9%,女性92.3%)が最も高く,次いで,処方薬(男性63.6%,女性75.0%)の順であったが,女性と比べて男性の割合が高かった薬物は,市販薬(男性53.6%,女性34.8%),ヘロイン(男性19.2%,女性15.4%),有機溶剤(男性27.4%,女性23.7%)等であり,そのうち,コカイン(男性37.4%,女性15.7%)は顕著に高かった。また,男性と比べて女性の割合が高かった薬物は,MDMA(男性23.8%,女性38.6%),処方薬(男性63.6%,女性75.0%)等であった。全体で見ると,ガス(90.0%),ヘロイン(71.8%),危険ドラッグ(68.1%),MDMA(58.1%),コカイン(54.2%),市販薬(45.1%),有機溶剤(37.5%)及び大麻(37.3%)については,乱用期間が2年未満の者が占める割合が高かったが,覚醒剤では,10年以上にわたっている者が8割強を占め,20年以上の者は5割強であった。
7-6-2-15図は,薬物依存の重症度別構成比を男女別に見たものである。集中治療の対象の目安とされる「相当程度」以上の者の割合は,男性(41.4%)と比べて女性(51.4%)が高かった。薬物依存の重症度については,本章第1節2項(1)参照。
7-6-2-16図は,薬物入手のための犯罪(違法薬物を手に入れるためにした窃盗,恐喝,強盗,詐欺等の犯罪をいう。以下この節において同じ。)の経験について,7-6-2-17図は,薬物影響下での犯罪(違法薬物の影響でした粗暴犯罪,性犯罪等の犯罪(薬物犯罪及び交通事故を除く。)をいう。以下この節において同じ。)の経験について,それぞれ男女別に見たものである。
薬物入手のための犯罪において,経験がある者の割合は,女性と比べて男性が顕著に高かった。
7-6-2-18図及び7-6-2-19図は,覚醒剤を使用したくなった場面及び使用したくなったときの感情等(いずれも重複計上による。)を,男女別に見たものである。
覚醒剤を使用したくなった場面としては,「クスリ仲間と会ったとき」が男性60.6%,女性53.2%と男女共に最も高く,次いで,「クスリ仲間から連絡がきたとき」(男性52.2%,女性48.5%)の順であり,いずれもおよそ5~6割であった。女性と比べて男性の割合が顕著に高かった項目は,「セックスをするとき」(男性46.3%,女性25.3%),「手元にお金があるとき」(男性39.4%,女性25.3%)及び「給料をもらったあと」(男性22.1%,女性11.4%)であり,男性と比べて女性の割合が顕著に高かった項目は,「誰かとケンカしたあと」(男性11.7%,女性29.1%),「自分の体型が気になるとき」(男性3.5%,女性31.2%),「ミネラルウォーターを見たとき」(男性4.5%,女性11.0%)及び「朝起きたあと」(男性4.8%,女性10.5%)であった。
覚醒剤を使用したくなったときの感情等としては,男女共に「イライラするとき」が5割前後と最も高く,次いで,男性では,「欲求不満のとき」(33.1%),「気持ちが落ち込んでいるとき」・「退屈で仕方がないとき」(いずれも31.8%)の順であり,女性では,「気持ちが落ち込んでいるとき」(42.2%),「自分自身がイヤになるとき」(41.8%),「孤独を感じるとき」(39.7%)の順であった。女性では,その他の否定的な感情等を表す項目においても,覚醒剤を使用したくなったと回答した者の割合が男性より顕著に高い項目が多かった。
7-6-2-20図は,覚醒剤使用による本人のメリット(重複計上による。)を男女別に見たものである。
男性では,「性的な快感や興奮を得られる」(60.8%)が最も高く,次いで,「集中力が増す」(48.5%),「ゆううつな気分や不安を忘れることができる」(43.5%),「疲れがとれる」(42.4%)の順であり,女性では,「疲れがとれる」(47.7%)が最も高く,次いで,「ゆううつな気分や不安を忘れることができる」(46.4%),「現実逃避ができる」(46.0%),「やせられる」(43.9%)の順であった。女性と比べて男性の割合が顕著に高かった項目は,「性的な快感や興奮を得られる」(男性60.8%,女性32.9%)及び「集中力が増す」(男性48.5%,女性38.8%)であり,男性と比べて女性の割合が顕著に高かった項目は,「現実逃避ができる」(男性37.0%,女性46.0%),「痛みや身体症状が和らぐ」(男性27.9%,女性35.4%),「やせられる」(男性7.6%,女性43.9%),「自分に対して自信を持つことができる」(男性10.4%,女性17.3%)及び「人見知りせずに人とうまく話せるようになる」(男性5.0%,女性8.9%)であった。
7-6-2-21図は,覚醒剤使用による本人のデメリット(重複計上による。)を男女別に見たものである。
男女共に9割を超える者が「逮捕されて刑務所に入ることになった」を選択し,6割を超える者が「周囲からの信頼を失った」及び「家族との人間関係が悪化した」を選択していた。
そのほか,女性と比べて男性の割合が顕著に高かった項目は,「友人との人間関係が悪化した」(男性61.7%,女性53.2%)であり,男性と比べて女性の割合が顕著に高かった項目は,「自分が嫌になった」(男性43.9%,女性59.1%),「精神的に不安定になった」(男性34.6%,女性53.2%),「身体の調子が悪くなった」(男性32.3%,女性42.2%),「薬物中心の生活になって他の事柄への興味・関心がなくなった」(男性23.2%,女性33.3%)及び「気分が落ち込むようになった」(男性17.7%,女性32.1%)であった。
覚醒剤の断薬努力経験(覚醒剤をやめるために本人なりに何らかの具体的な努力を行った経験をいう。以下この節において同じ。)がある者(不詳の者を除く。)は,男性では68.6%(308人)であるのに対し,女性では84.1%(190人)で,女性の割合が顕著に高かった。断薬経験(刑務所等への入所等,身柄を拘束されていた期間を除き,1年間以上覚醒剤の使用をやめていた経験をいう。以下この節において同じ。)がある者(不詳の者を除く。)は,男性82.6%(356人),女性81.8%(175人)であり,男女共に8割を超えていた。
7-6-2-22図は,覚醒剤の断薬経験がある者が覚醒剤を断薬した理由(重複計上による。)を男女別に見たものである。男女共に,「大事な人を裏切りたくなかった」が5割を超えて最も高く,次いで,「逮捕されたり受刑したりするのは嫌だという思いがあった」(男性55.1%,女性48.6%)の順であった。女性と比べて男性の割合が顕著に高かった項目は,「仕事がうまくいっていた」(男性46.9%,女性36.0%)であり,男性と比べて女性の割合が顕著に高かった項目は,「子育て中だった」(男性17.7%,女性31.4%),「身体が健康だった」(男性13.8%,女性22.9%)及び「病院や回復支援施設などで治療や薬物使用をやめるための支援を受けていた」(男性7.9%,女性15.4%)であった。
7-6-2-23図は,小児期逆境体験(ACE)の経験率(重複計上による。)を男女別に見たものである。
「親が亡くなったり離婚したりした」の経験率が男女共に5割を超えて最も高く,女性では,「家族から,心が傷つくような言葉を言われるといった精神的な暴力を受けた」及び「家族から,殴る蹴るといった体の暴力を受けた」の経験率がおよそ4~5割と,男性と比べて顕著に高かった。このほかの全ての項目においても,男性と比べて女性の経験率が高く,女性の各項目への該当数の平均は3項目を超えていた。小児期逆境体験(ACE)については,本章第1節2項(4)参照。
7-6-2-24図は,食行動の問題・自傷行為・自殺念慮・DV被害の経験率(重複計上による。)をそれぞれ男女別に見たものである。
全ての項目で女性の経験率の方が顕著に高かったが,特に,無茶食い(過食),自傷行為及び自殺念慮では4割を超え,DV被害では7割を超える者に経験があった。
精神疾患(気分障害,統合失調症,発達障害,摂食障害等の精神障害をいい,依存症(薬物・アルコール・ギャンブル)を除く。)の診断(不詳の者を除く。)の有無について見ると,男性の8.6%(38人),女性の40.2%(92人)が診断を受けており,男性と比べて女性の割合が顕著に高かった。
慢性疾患(糖尿病,循環器疾患,がん等の身体の病気をいう。)の診断(不詳の者を除く。)の有無について見ると,男性の10.5%(47人),女性の17.2%(39人)が診断を受けており,男性と比べて女性の割合が顕著に高かった。
薬物乱用に関する医療・保健機関や民間支援団体(以下この節において「関係機関」という。)を「専門病院」(薬物依存の治療を行っている病院やクリニック),「保健機関」(薬物使用について相談できる精神保健福祉センターや保健所),「回復支援施設」(ダルク等,薬物依存の当事者が入所・通所する施設)及び「自助グループ」(NA等,薬物依存の当事者が公民館等でミーティングを行う団体)の4種類に分類し,それぞれの利用状況等について調査した。
7-6-2-25図は,各関係機関の利用状況別構成比を男女別に見たものである。支援を受けたことがある者の割合が最も高いのは,男女共に専門病院であった。また,専門病院,保健機関及び自助グループにおいて,「支援を受けたことがある」と回答した者の割合は,男性と比べて女性の方が顕著に高く,専門病院及び自助グループにおいて,「存在を知らなかった」と回答した者の割合は,女性と比べて男性の方が顕著に高かった。
関係機関から受ける支援への良いイメージ(重複計上による。調査項目は7-6-2-36図参照)を男女別に見ると,男女共に,専門病院では,「薬物をやめるための具体的な方法を知ることができる」(男性50.0%,女性48.1%)が最も高く,回復支援施設及び自助グループでは,「薬物をやめるために一緒にがんばれる仲間ができる」(男性39.2%,女性43.0%(回復支援施設),男性33.1%,女性44.7%(自助グループ))が最も高かった。
また,多くの項目で,男性と比べて女性の割合が高く,専門病院では,「不眠や精神安定等に効く薬がもらえる」(男性35.9%,女性51.1%),「人間関係などの悩みを相談でき,精神的に楽になる」(男性23.4%,女性36.3%),「家族や交際相手等との関係が良くなる」(男性17.5%,女性28.7%),保健機関では,「人間関係などの悩みを相談でき,精神的に楽になる」(男性14.1%,女性22.4%),自助グループでは,「薬物をやめるために一緒にがんばれる仲間ができる」(男性33.1%,女性44.7%),「再使用や薬物を使いたい気持ちを正直に話すことができる」(男性31.6%,女性39.7%),「自分のことを理解してくれる支援者と出会える」(男性30.3%,女性38.4%)で顕著に高かった。
それに対し,関係機関から受ける支援への悪いイメージ(重複計上による。調査項目は7-6-2-37図参照)を男女別に見ると,専門病院では,男女共に,「お金がかかる」(男性41.6%,女性38.4%)が最も高く,次いで,「入院や入所を強引に勧められる」(男性30.5%,女性35.0%)の順であり,保健機関では,男性は「お金がかかる」(20.3%)が最も高く,次いで,「特に悪いイメージはない」・「時間がかかる」(いずれも19.9%)の順であり,女性は「薬物を再び使ってしまった場合,通報(逮捕)される」(24.5%)が最も高く,次いで,「特に悪いイメージはない」(22.8%)の順であった。回復支援施設では,男女共に,「薬物仲間(他の覚せい剤使用者,売人)や新しい誘惑が増える」(男性39.0%,女性47.3%)が最も高く,次いで,男性は「お金がかかる」(35.9%),女性は「規則や守りごとが多く,自分の自由が奪われる」(40.9%)の順であり,自助グループでは,男女共に,「薬物仲間(他の覚せい剤使用者,売人)や新しい誘惑が増える」(男性34.8%,女性39.7%)が最も高く,次いで,「薬物のことを思い出し,かえってやりたくなる」(男性31.0%,女性35.4%)の順であった。
また,女性と比べて男性の割合が顕著に高かった項目は,専門病院では,「自分が話したことで,あれこれ口を出され,わずらわしい思いをする」(男性14.1%,女性8.4%),「薬物のことを思い出し,かえってやりたくなる」(男性12.6%,女性6.8%),保健機関では,「お金がかかる」(男性20.3%,女性12.7%),自助グループでは,「薬物を再び使ってしまった場合,通報(逮捕)される」(男性13.9%,女性7.2%)であった。他方,男性と比べて女性の割合が顕著に高かった項目は,専門病院では,「薬物を再び使ってしまった場合,通報(逮捕)される」(男性21.6%,女性29.5%),回復支援施設では,「薬物仲間(他の覚せい剤使用者,売人)や新しい誘惑が増える」(男性39.0%,女性47.3%),自助グループでは,「同じ支援を受ける周りの人との人間関係が面倒くさい」(男性24.5%,女性31.6%)であった。