7-4-3-15図は,覚醒剤取締法及び大麻取締法の各違反(それぞれ,覚醒剤及び大麻に係る麻薬特例法違反を含む。以下(1)において同じ。)の少年検挙人員(警察が検挙した者に限る。)のうち,同一罪名再非行少年(前に覚醒剤取締法(大麻取締法)違反で検挙されたことがあり,再び覚醒剤取締法(大麻取締法)違反で検挙された少年をいう。以下(1)において同じ。)の人員及び同一罪名再非行少年率(覚醒剤取締法及び大麻取締法の各違反の少年検挙人員に占める同一罪名再非行少年の各人員の比率をいう。以下(1)において同じ。)の推移(最近20年間)を見たものである。覚醒剤取締法違反の同一罪名再非行少年の人員は,最近20年間では平成12年をピークとして,その後減少傾向にある。同一罪名再非行少年率は5~18%台で推移しており,令和元年は6.2%(前年比7.4pt低下)であった。大麻取締法違反の同一罪名再非行少年の人員は,小さく増減を繰り返していたが,平成22年から減少傾向を示した後,26年から一貫して増加し,令和元年は,最近20年間で最多の59人であった。また,同一罪名再非行少年率は2~12%台で推移しており,元年は9.7%(同2.5pt上昇)であった。
7-4-3-16図は,一般保護事件(過失運転致死傷,過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱,車両運転による(業務上・重)過失致死傷及び危険運転致死傷並びに簡易送致事件を除く。以下(2)において同じ。)の家庭裁判所終局処理人員等の推移(最近20年間)を非行名別に見るとともに,これを前処分(前に一般保護事件で家庭裁判所の終局処分を受けたことをいう。本件非行が同処分以前に犯したものである場合を除く。以下(2)において同じ。)の有無別に見たものである。前処分ありの者の人員は,一般保護事件並びに覚醒剤取締法及び毒劇法の各違反では減少傾向にあるが,麻薬取締法・大麻取締法違反では,平成22年から25年まで減少した後,26年に増加に転じ,以降毎年増加している。前処分ありの者の比率は,一般保護事件ではおおむね30%台で推移しているが,覚醒剤取締法及び麻薬取締法・大麻取締法の各違反では,変動はあるもののおおむね50%台前後,毒劇法違反ではおおむね60%台前後を中心に推移している。
7-4-3-17図は,令和元年における覚醒剤取締法違反による少年院入院者の保護処分歴別構成比を,男女別に見たものである。
少年院入院者全体の保護処分歴別構成比を男女別に見たもの(5-2-5-2図参照)と比べると,覚醒剤取締法違反によるものの構成比は,男子では3.1pt高く,女子では14.4pt低かった。
なお,令和元年における保護観察処分少年(交通短期保護観察の対象者を除く(以下この項において同じ。)。同年中に覚醒剤取締法違反により保護観察が開始された者に限る。)27人について見ると,保護処分歴のある者はいなかった(法務省大臣官房司法法制部の資料による。)。
令和元年に保護観察が終了した覚醒剤取締法違反による保護観察処分少年及び少年院仮退院者について,再処分率(第5編第2章第5節4項参照)を見ると,保護観察処分少年が17.4%,少年院仮退院者が2.0%であり,少年の保護観察対象者全体(交通短期保護観察の対象者を除く。5-2-5-5表参照)と比べ,保護観察処分少年では0.6pt高く,少年院仮退院者では16.9pt低かった。最近20年間の推移を見ると,保護観察処分少年は3~19%台,少年院仮退院者は1~13%台で推移している(法務省大臣官房司法法制部の資料による。)。