少年事件については,少年法により,被害者等による少年事件記録の閲覧・謄写の制度,被害者等からの意見の聴取の制度,被害者等に対する審判結果等の通知の制度,一定の重大事件の被害者等が少年審判を傍聴することができる制度及び家庭裁判所が被害者等に対して審判の状況を説明する制度がある。令和元年に,被害者等から申出がなされた人員は,少年事件記録の閲覧・謄写が925人(うち相当と認められた人員903人),意見の聴取が251人(同240人),審判結果等の通知が870人(同869人)であった。また,同年に,少年審判の傍聴が認められた件数・人員は20件・37人であり,審判状況の説明を受けた被害者等の人員は280人であった(最高裁判所事務総局の資料による。)。
このほか,保護処分を受けた少年の処遇状況等に関する事項についても,被害者等が通知を希望し,これが相当と認められる場合には,少年院の長は,加害少年が収容されている少年院の名称,少年院における教育状況,出院年月日・出院事由等について,地方更生保護委員会は,仮退院審理の開始・結果に関する事項について,保護観察所の長は,保護観察処分少年及び少年院仮退院者の保護観察の開始・処遇状況・終了に関する事項について,それぞれ通知を行っている。令和元年においては,少年院での処遇に関する事項について延べ261件,仮退院審理に関する事項について延べ144件,保護観察状況に関する事項について延べ566件の各通知が行われた(法務省矯正局及び保護局の資料による。)。また,少年事件においても,意見等聴取,心情等伝達及び相談・支援の各制度が実施されている(制度の概要及び運用状況については,本節5項参照)。