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令和2年版 犯罪白書 第6編/第2章/第1節/5
5 矯正・更生保護段階等における被害者等の関与

被害者等が加害者たる受刑者の処遇状況等の通知を希望し,これが相当と認められる場合には,検察官は,刑事施設からの連絡に基づき,受刑者の処遇状況等に関する事項を当該被害者等に通知している(被害者等通知制度)。令和元年は,刑の執行終了予定時期について延べ1万6,420件(目撃者等に対する通知を含む。),刑事施設における処遇状況について延べ1万8,195件,受刑者の釈放について延べ2,847件(目撃者等に対する通知を含む。),全部又は一部執行猶予の言渡しの取消しについて延べ176件の通知がそれぞれ行われた(法務省刑事局の資料による。)。

また,再被害防止の観点から転居等の措置を講じる必要があるため,被害者等が特に通知を希望する場合で,検察官が相当と認めるときには,受刑者の釈放予定時期及び帰住予定地等についての通知を行う制度も実施されており,令和元年は,417人に対して通知が行われた(目撃者等に対する通知を含む。法務省刑事局の資料による。)。

更生保護においては,<1>地方更生保護委員会が,仮釈放審理の開始・結果に関する事項について,保護観察所が,仮釈放者及び保護観察付全部・一部執行猶予者の保護観察の開始・処遇状況・終了に関する事項について,それぞれ被害者等に通知を行っている(被害者等通知制度)。また,<2>地方更生保護委員会が,刑事施設からの仮釈放及び少年院からの仮退院の審理において,被害者等から仮釈放・仮退院に関する意見等を聴取する意見等聴取制度,<3>保護観察所が,被害者等から被害に関する心情等を聴取し,保護観察中の加害者に伝達する心情等伝達制度,<4>主に保護観察所が,被害者等からの相談に応じ,関係機関等の紹介等を行う相談・支援の制度が実施されている。

令和元年における運用状況は,<1>のうち,仮釈放審理に関する事項について延べ4,082件,保護観察状況に関する事項について延べ6,624件(保護処分を受けた少年の仮退院審理・保護観察状況に関する通知については,本節6項参照),<2>が延べ336件(うち仮退院の審理における件数32件),<3>が延べ158件(うち加害者が保護処分のものの件数38件),<4>が延べ1,366件であった(法務省保護局の資料による。)。

なお,平成30年7月から,保護観察所において,心神喪失者等医療観察法に定める対象行為(第4編第9章第3節1項参照)の被害者等が希望する場合には,被害者等に対し,対象者の処遇段階等に関する情報を提供しており,令和元年における情報提供件数は11件であった(法務省保護局の資料による。)。