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令和元年版 犯罪白書 第6編/第2章/第1節/6
6 少年事件における被害者等への配慮

平成12年法律第142号による少年法の改正(平成13年4月施行。第1編第2章第2節1項(1)及び第5節4項参照)により,<1>家庭裁判所は,被害者等の申出があるときには,審判開始決定があり,被害者等の損害賠償請求権の行使のために必要があるなどの正当な理由があり,少年の健全な育成に対する影響,事件の性質又は審判の状況その他の事情を考慮して相当と認めるときは,事件の非行事実に係る部分の記録を被害者等に閲覧・謄写させることができるとされ,<2>被害者等から被害に関する心情その他の事件に関する意見の陳述の申出があるときは,家庭裁判所自ら意見を聴取し,又は家庭裁判所調査官に命じてこれを聴取させることとされたほか,<3>被害者等から申出があるときには,家庭裁判所が,少年やその法定代理人の氏名及び住居,決定の年月日・主文・理由の要旨を通知することとされた。さらに,被害者等の権利利益の一層の保護を図るため,平成20年法律第71号による少年法の改正(同章第2節1項(4)及び第5節13項参照)により, 20年7月から意見聴取の対象者の範囲が拡大され,同年12月からは,一定の重大事件の被害者等が少年審判を傍聴することができる制度及び家庭裁判所が被害者等に対して審判の状況を説明する制度が実施されるとともに,少年事件記録の閲覧・謄写の要件の緩和及び範囲の拡大もされた。記録の閲覧・謄写,意見聴取,審判結果等の通知,傍聴及び審判状況の説明について,各制度開始以降の実施状況の推移は,6-2-1-7表のとおりである。

このほか,平成19年12月からは,被害者等通知制度の拡充に併せて,保護処分を受けた少年の処遇状況等に関する事項についても,被害者等が通知を希望し,これが相当と認められる場合には,少年院の長は,加害少年が収容されている少年院の名称,少年院における教育状況,出院年月日・出院事由等について,地方更生保護委員会は,仮退院審理の開始・結果に関する事項について,保護観察所の長は,保護観察処分少年及び少年院仮退院者の保護観察の開始・処遇状況・終了に関する事項について,それぞれ通知を行っている。処遇状況等に関する被害者等への通知について,制度開始以降の実施状況の推移は,6-2-1-7表のとおりである。また,少年事件においても,意見等聴取,心情等伝達及び相談・支援の各制度が実施されている(本節5項参照)。

6-2-1-7表 少年事件における被害者等への配慮に係る制度の実施状況の推移
6-2-1-7表 少年事件における被害者等への配慮に係る制度の実施状況の推移
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