平成元年における外国人の入所受刑者は,780人であったところ,15年は2,150人と増加し,30年は751人(前年比0.5%増)であった(矯正統計年報による。)。
外国人受刑者のうち,日本人と異なる処遇を必要とする者は,F指標受刑者として,その文化,生活習慣等に応じた処遇を行っている(3-1-4-13表参照)。F指標入所受刑者人員の推移(平成元年以降)は,4-9-3-4図のとおりである。その人員は,平成初期から増加傾向にあったところ,10年から16年(1,690人)にかけて急増した後,17年から減少傾向にあったが,29年から2年連続で増加し,30年は434人(前年比5.6%増)であった。F指標入所受刑者を国籍等別に見ると,資料を入手し得た10年では,中国274人,イラン145人,ベトナム39人の順,20年では,中国288人,イラン118人,ブラジル114人,30年では,中国89人,ベトナム72人,ブラジル58人の順であった(法務省大臣官房司法法制部の資料による。CD-ROM資料4-10参照)。罪名別に見ると,10年及び20年では,窃盗(それぞれ178人,304人)が最も多く,次いで,入管法違反(それぞれ127人,160人),覚せい剤取締法違反(それぞれ127人,159人)であった。30年では,窃盗が132人と最も多く,次いで,覚せい剤取締法違反の130人である(法務省大臣官房司法法制部の資料による。)。
F指標受刑者の収容人員は,統計の存在する平成2年末現在252人(男性235人,女性17人),15年末現在3,010人(男性2,793人,女性217人)であり,30年末現在では1,343人(男性1,146人,女性197人)と,前年末比で6.7%減少した(矯正統計年報による。)。