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令和元年版 犯罪白書 第4編/第10章/第3節

第3節 心神喪失者等医療観察制度

心神喪失者等医療観察制度は,心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者に対し,継続的かつ適切な医療及びその確保のために必要な観察・指導を行うことによって,病状の改善とこれに伴う同様の行為の再発の防止を図り,その社会復帰を促進することを目的とするものである。心神喪失者等医療観察法の施行に伴い,平成17年7月15日から運用されている(第1編第2章第6節1項参照)。

制度の運用が開始されるに当たり,保護観察所に,精神保健福祉士その他の精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識を有する職員である社会復帰調整官が配置され,同法に基づく処遇に従事している。保護観察所の社会復帰調整官の定員は,制度開始年度である平成17年度が63人,31年度が220人であった(法務省保護局の資料による。)。30年7月には,被害者等から希望があった場合,対象者の処遇段階等に関する情報について保護観察所から提供する制度が開始された(第6編第2章第1節5項参照)。

心神喪失者等医療観察制度の手続の流れは,4-10-3-1図のとおりである。

4-10-3-1図 心神喪失者等医療観察法による手続の流れ
4-10-3-1図 心神喪失者等医療観察法による手続の流れ