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令和元年版 犯罪白書 第3編/第3章/第5節/1

第5節 刑事司法分野における国際研修・法制度整備支援等
1 国連アジア極東犯罪防止研修所における協力

国連アジア極東犯罪防止研修所UNAFEI:United Nations Asia and Far East Institute for the Prevention of Crime and the Treatment of Offenders)は,日本国政府と国連の協定に基づき,昭和37年(1962年)に設置された,UNODCを中核とする国連犯罪防止・刑事司法プログラムネットワーク機関(PNI)の一つであり,法務総合研究所国際連合研修協力部により運営され,刑事司法分野における研修,研究及び調査を実施することにより,世界各国の刑事司法の健全な発展と相互協力の強化に努めている。

(1)主な研修・セミナー

UNAFEIでは,昭和37年(1962年)9月に第1回国際研修を実施して以降,開発途上国の警察官,検察官,裁判官,矯正職員,保護観察官等や,我が国の刑事司法関係者を参加者として,毎年国際研修(年2回)と国際高官セミナー(年1回)を実施しており,令和元年(2019年)6月までに合計172回の研修・セミナーを実施した。

また,開発途上国における汚職の防止や汚職に対する刑事司法の充実・発展等を目的として,平成10年(1998年)から毎年1回,汚職防止刑事司法支援研修を実施しており,平成30年(2018年)までに合計21回の研修を実施した。さらに,平成19年(2007年)から毎年1回,東南アジア諸国のためのグッドガバナンスに関する地域セミナーを実施しており,平成30年(2018年)までに合計12回のセミナーを実施した。そのほか,世界各国や国連等の要請を受け,特定の国や地域を対象とする研修や調査研究を実施している。

令和元年(2019年)6月時点において,UNAFEI の研修に参加した刑事司法関係者(日本人を含む。)は,139の国と地域から,5,900人以上となっており,平成元年(1989年)から平成31年(2019年)4月末までの間にUNAFEIの研修に参加した刑事司法関係者の国・地域別人員は,3-3-5-1表のとおりである。これまでにUNAFEIの研修・セミナーに参加した刑事司法関係者の中には,それぞれの国において,最高裁判所長官,法務大臣,検事総長その他の重要な地位に昇進した者が多数含まれており,UNAFEIのネットワークは,我が国が刑事司法分野における国際協力を推進していく上での基盤となっている。

3-3-5-1表 国・地域別研修参加人員
3-3-5-1表 国・地域別研修参加人員
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(2)その他

UNAFEIは,PNIの一員として,毎年,コミッション(本章第1節参照)に出席しているほか,PNIの他の機関とも緊密な連携を取りながら,犯罪防止や刑事司法に関する国連の政策の立案・実施にも協力し,SDGs(持続可能な開発目標。平成27年(2015年)の国連サミットで採択された平成28年(2016年)から令和12年(2030年)までの国際目標)の推進に努めている。