特別調整は,適当な帰住先がない高齢受刑者等が,出所後速やかに必要な福祉的支援を受けられるようにする出口支援の重要な施策の一つであり,刑事司法機関が多くの機関と連携して実施する犯罪者処遇・支援の先駆けとなった。特別調整を通じて福祉施設等に帰住した高齢受刑者等は増加傾向にあり,出所後の調整も含めると,特別調整を受けた9割以上の者に受入先が確保されている上,特別調整を受けた高齢受刑者の出所後の再入所は他の高齢出所受刑者と比べて少ない。一方で,地域生活定着支援センターによる出所後のフォローアップ業務が増加しており,出所後も保護観察所等が継続的に支援に関与する意義を訴える声もあるなど(コラム3),同センターとの一層の連携が求められている。