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平成29年版 犯罪白書 第4編/第8章/第1節

第1節 犯罪の動向

4-8-1-1図は,刑法犯について,年齢層別の成人検挙人員の推移(最近20年間)を見たものである。高齢者の検挙人員は,平成20年まで著しく増加していたが,その後はおおむね横ばいで推移しており,他の年齢層と異なり,高止まりの状況にある。28年は他の年齢層と比較して最も多い4万6,977人(前年比1.4%減)であり,9年の検挙人員の約3.7倍となっている(なお,刑法犯検挙人員の年齢層別構成比の推移については,1-1-1-5図参照)。

4-8-1-1図 刑法犯 検挙人員の推移(年齢層別)
4-8-1-1図 刑法犯 検挙人員の推移(年齢層別)
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4-8-1-2図は,刑法犯の成人検挙人員の人口比の推移(最近20年間)を年齢層別に見たものである。平成28年における高齢者の検挙人員の人口比は,9年の約2.1倍であるが,他の年齢層よりは相対的に低く,20歳代と比べると半分以下である。

4-8-1-2図 刑法犯 検挙人員の人口比の推移(年齢層別)
4-8-1-2図 刑法犯 検挙人員の人口比の推移(年齢層別)
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4-8-1-3図は,平成28年における高齢者の刑法犯検挙人員の罪名別構成比を男女別に見たものである。全年齢層と比べて,高齢者では窃盗の割合が高いが,特に女性では,約9割が窃盗であり,しかも万引きによる者の割合が約8割と際立って高い。

4-8-1-3図 刑法犯 高齢者の検挙人員の罪名別構成比(男女別)
4-8-1-3図 刑法犯 高齢者の検挙人員の罪名別構成比(男女別)
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4-8-1-4図は,高齢者の検挙人員の推移(最近20年間)を罪名別に見たものである。高齢者の刑法犯検挙人員の約7割を占める窃盗は,平成24年まで著しく増加していたが,その後はおおむね横ばいで推移しており,28年は3万3,979人(前年比1.3%減)と,9年の約3.6倍であった。傷害及び暴行の検挙人員も著しく増加しており,28年は両罪で5,823人(同5.4%増)であり,9年の約17.4倍であった。重大事犯である強盗の検挙人員も増加傾向にある。

4-8-1-4図 高齢者の検挙人員の推移(罪名別)
4-8-1-4図 高齢者の検挙人員の推移(罪名別)
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なお,高齢者が関係する交通事故については,第一当事者の年齢層別の交通事故発生件数の推移についての4-1-2-2図参照。