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平成29年版 犯罪白書 第4編/第6章/第2節

第2節 配偶者間暴力に係る犯罪

配偶者暴力防止法は,平成13年,配偶者からの暴力を防止し,被害者の保護を図るため,配偶者からの暴力に係る通報,相談,保護,自立支援等の体制を整備する目的で制定され,被害者からの申立てを受けて裁判所が加害者に対して発した,被害者の身辺へのつきまといをすること等を禁止する保護命令に違反する行為(保護命令違反行為)等に対して罰則を設けている。

配偶者暴力防止法における「配偶者からの暴力」には, 平成16年の同法改正(平成16年法律第64号)により,身体に対する暴力に加えて,身体に対する暴力に準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動を含むものとされた。

また,平成25年の配偶者暴力防止法改正(平成25年法律第72号。26年1月3日施行)により,生活の本拠を共にする交際相手(婚姻関係における共同生活に類する共同生活を営んでいない者を除く。)による暴力等及びその被害者についても,同法の規定が準用されることとなり,当該暴力に係る保護命令に違反した者も処罰対象となった。

配偶者暴力防止法違反に係る検察庁新規受理人員の推移(最近10年間)は,4-6-2-1図のとおりである。同法違反の受理人員は,平成24年以降,100人を超えて推移しており,28年は,113人(前年比5人増)であった。

4-6-2-1図 配偶者暴力防止法違反 検察庁新規受理人員の推移
4-6-2-1図 配偶者暴力防止法違反 検察庁新規受理人員の推移
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被害者が被疑者の配偶者(内縁関係を含む。)であった事案の刑法犯検挙件数の推移を見ると,4-6-2-2図のとおりである。平成28年の総数は,7,450件であり,19年(2,794件)の約2.7倍であった。特に,傷害,暴行及び脅迫の検挙件数が増加している。総数の約9割の事件における被害者は女性であるが,殺人(158件)については,男性が被害者である事件が71件あった(CD-ROM参照)。

4-6-2-2図 刑法犯 配偶者間事案の検挙件数の推移(罪名別)
4-6-2-2図 刑法犯 配偶者間事案の検挙件数の推移(罪名別)