少年院出院者については,出院年を含む2年以内に少年院に再入院した者の比率(2年以内再入院率)は平成26年出院者では10.4%であり,同期間内に少年院に再入院又は受刑のため刑事施設に入所した者の比率(2年以内再入院・刑事施設入所率)は11.4%である(5-1-5-6図<1>参照)。単純な比較はできないものの,26年出所受刑者の2年以内再入率が18.5%である(5-1-3-15図<1>参照)ことを踏まえると,少年院出院者の再入院率及び再入院・刑事施設入所率は相対的に低い水準にある。
男女別に見ると,出所受刑者においても,男性に比べて女性の方が再入率が低いが,少年の場合,その差は更に大きく,女子の再入院率は男子と比べて顕著に低いことが特徴である(本編第1章第5節3項参照)。
最近10年間の推移を見ると,2年以内再入院率は10〜11%台で,2年以内再入院・刑事施設入所率は11〜12%台で推移しており,5年以内再入院率は14〜16%台で,5年以内再入院・刑事施設入所率は21〜24%台で推移している(5-1-5-6図CD-ROM参照)。いずれの値も,出所受刑者の再入率を踏まえると低い水準にあるものの(5-1-3-15図参照),出所受刑者の再入率が緩やかな低下傾向を示しているのに対し,少年院出院者では,ほぼ横ばいの状態が続いている。
再入院者に限って,少年院を出院してから再非行に至るまでの期間(再非行期間)を見ると,前回少年院を出院してから6月以内で約4割が,1年以内で7割近くが再非行に及んでいる(5-1-5-7図参照)。このことから,少年院出院者についても,社会内処遇への円滑な移行,特に,出院直後における重点的な社会内処遇が重要であることがうかがわれる。