前の項目 次の項目       目次 図表目次 年版選択

平成27年版 犯罪白書 第6編/第3章/第1節

第3章 再犯防止に向けた各種施策等
第1節 矯正

刑事施設においては,一部の施設で,従前から独自に性犯罪再犯防止のための教育を実施してきたが,平成16年11月に奈良県で発生した女児誘拐殺人事件等を契機として,17年に法務省矯正局と保護局が共同して性犯罪者処遇プログラム研究会を立ち上げ,18年度から性犯罪再犯防止指導を特別改善指導の一つとして実施している(第2編第4章第2節3項(2)参照)。

少年院においても,性非行を犯した少年に対する教育は,従前から各施設において,性非行の問題性に焦点を当てた問題群別指導の一つとして行ってきたが,平成22年の「少年矯正を考える有識者会議」の提言を背景に,24年に「矯正教育プログラム(性非行)」を開発し,27年度から,特定生活指導の一つとして性非行防止指導を実施している(第3編第2章第4節2項(2)ア参照)。

さらに,性犯罪者処遇の一貫性を保つために,刑事施設と保護観察所との間では,性犯罪者処遇に係る情報の相互引継がなされ,法務省と警察庁との間では,子供を対象とする暴力的性犯罪等に係る受刑者の釈放等の情報共有がなされている。

本節では,性犯罪の再犯防止のために矯正施設において実施されているこれらの施策について紹介する。