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平成27年版 犯罪白書 第6編/第2章/第3節/1

1 科刑状況
(1)強姦

強姦について,通常第一審における有罪人員(懲役)の刑期別構成比の推移(最近20年間)を見ると,6-2-3-1図のとおりである。平成26年の通常第一審における有罪人員(懲役)は361人で,7年と比べて,32.4%減少している。「5年を超え10年以下」の懲役を言い渡された者の割合は,前記の刑法改正前から上昇傾向にあり,16年は20.0%と,7年と比べると12.0pt上昇した。その後も上昇傾向が続き,21年からは3割台で推移している。また,「10年を超え15年以下」の懲役を言い渡された者の割合も,前記の刑法改正前から上昇傾向にあり,16年は4.5%と,7年と比べると4.1pt上昇した。その後も上昇傾向が続き,26年は7.5%であった。通常第一審における執行猶予率を最近20年間で見ると,前記の刑法改正前から低下傾向にあり,16年は21.2%と,7年と比べると13.2pt低下した。その後も低下傾向にあり,21年以降は10〜12%台で推移していたが,26年は9.4%(前年比1.4pt低下)であり,通常第一審における終局処理人員総数(59.5%)と比べて顕著に低い。26年の通常第一審における強姦の執行猶予者の保護観察率は,終局処理人員総数(10.0%)と比べて高い(CD-ROM及び2-3-2-1表参照)。

なお,少年の強姦事件の審判における決定等別構成比については,6-2-4-11図<1>参照。

6-2-3-1図 強姦 通常第一審における有罪人員(懲役)の刑期別構成比の推移
6-2-3-1図 強姦 通常第一審における有罪人員(懲役)の刑期別構成比の推移
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(2)強制わいせつ

強制わいせつについて,通常第一審における有罪人員(懲役)の刑期別構成比の推移(最近20年間)を見ると,6-2-3-2図のとおりである。平成26年の通常第一審における有罪人員(懲役)は971人で,7年と比べて,約2.4倍に増加している。「2年以上3年以下(執行猶予)」の懲役を言い渡された者の割合は,13年から上昇傾向にあり,26年は42.7%と,7年と比べると15.2pt上昇した。また,「2年以上3年以下(実刑)」の懲役を言い渡された者の割合は,24年から低下しているものの,26年は16.5%と,7年と比べると5.2pt上昇した。通常第一審における執行猶予率を最近20年間で見ると,6割以上で推移しており,26年は64.8%(前年比2.6pt上昇)であった。26年の通常第一審における強制わいせつの執行猶予者の保護観察率は,終局処理人員総数と比べて高い(CD-ROM及び2-3-2-1表参照)。

なお,少年の強制わいせつ事件の審判における決定等別構成比については,6-2-4-11図<2>参照。

6-2-3-2図 強制わいせつ 通常第一審における有罪人員(懲役)の刑期別構成比の推移
6-2-3-2図 強制わいせつ 通常第一審における有罪人員(懲役)の刑期別構成比の推移
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