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平成26年版 犯罪白書 第6編/第5章/第2節/4

4 若年者

若年者に対しては,可塑性が比較的高いと考えられる年齢層であることから,若年者特有の処遇の在り方を検討するのが相当である。男子の若年者に多い背景事情である「無為徒食・怠け癖」や「不良交友」に該当する者の再犯率は,該当しない者と比べて高い傾向にあることから,不良交友の解消に向けた指導や,勤労意欲や能力を高めるために就労支援等を行い,あるいは,円滑に就職できるように職業訓練を実施するといった方策が重要となる。

また,若年者に対しては,早期の段階できめ細かい介入を行い,再犯を防止することにより,将来的に犯罪を繰り返す累犯者になるのを防ぐことが肝要である(本編第4章第4節3項(5)P308参照)といえるが,そのためには,本人の犯罪親和的な価値観や考え方の変容,住居の安定や職場への定着までを見据えた就労支援策,不良交友からの離脱指導といった多面的な働き掛けを組み合わせていくことが必要になると考えられる。