更生保護においては,保護観察対象者に対する類型別処遇などにより,窃盗事犯者の問題性に着目し,その解消に向けた個別処遇を行っており,例えば,失業により収入が得られなくなるなど生活費に困窮して窃盗に及んだ者に対しては,仕事に就き安定した収入を得るように指導・支援するといった一般的な指導監督・補導援護を通して,再犯防止と社会復帰支援を実施している。
本節では,再犯防止のために,更生保護において保護観察対象者及び更生緊急保護対象者(以下この節及び次節において「保護観察対象者等」という。)に対して実施されている施策・処遇について,<1>窃盗事犯者の問題性の観点から,生活困窮者,ギャンブル・浪費の問題を有する者を,<2>保護観察対象者等の特性の観点から,高齢・障害者,少年,女子を取り上げ,それぞれに応じたものの実情を紹介する。