前の項目 次の項目       目次 図表目次 年版選択


5 処遇の一貫性

少年は,20歳を迎えるとともに原則として少年法の適用対象から外れ,法的にそれまでと違った取り扱いを受ける成人となるが,その行動実態は20歳で画然とした差異があるわけではなく,一進一退を繰り返しながら成長発達を遂げていくものである。若年者の犯罪傾向や問題性は,特に成人に達して間もない時期においては,少年期と類似の特徴が存続していると認められることから,取り分け20歳代前半の若年犯罪者に対しては,少年期における保護処分歴,実施された処遇の内容を踏まえて,その後の処分,処遇を決定し,本人の改善更生のために一貫性のある処分,処遇を行うことが望ましい。

少年期から若年期への移行時期は,就労等の生活基盤を固める時期にも当たり,家庭から離れ,監督者であった保護者と別居し,自立を試みる者も少なくないが,この時期は,特に少年時に非行歴のある者にとっては再非行・再犯に陥りやすい時期でもある。非行少年のうち保護観察を受けていた者は,原則として20歳となって保護観察期間が終了するが,その後に続く数年間は特に犯罪のリスクが高く,この時期の犯罪を抑止するための方策をあらかじめ検討しておくことが重要である。すなわち,処遇が終了するまでの間に問題性の解消と就労等の生活基盤の安定を図り,社会的自立を迎えられる環境を整えるべく指導に当たるとともに,処遇の枠組みから離れた際にも,地域社会の中でサポートが受けられるような社会資源につないでいく必要がある。

また,若年保護観察付執行猶予者は再犯のおそれが高く,特に少年時に少年院送致等の保護処分を繰り返し受けている者については更に再犯のおそれが高いことを踏まえて,保護観察処遇を行う必要がある。