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第5章 少年・若年犯罪者の再犯防止

この章では,少年・若年時に保護処分あるいは刑事処分を受けたものの,その後,矯正・更生保護における処遇等を通じ,問題性が改善されたと評価できる事例を紹介し,改善更生を促進する要因等を分析する(なお,事例の内容は,個人の特定ができないようにする限度で,修正を加えている。)。さらに,その事例の問題性と関連する一つ又は複数の問題領域に関して,矯正・更生保護において実施している,対象者の改善更生に向けた処遇・取組を,対象者の反応等の具体例を交えて紹介する。

前章までで見てきたとおり,特に少年・若年者の非行・犯罪の背景には複数の問題,要因が相互に関連し合っている。また,改善更生に至る道筋は直線的ではなく,一進一退を繰り返しながら,ある問題性の改善・解消がきっかけとなり,好循環を生んで生活全般の安定を導くという経過をたどることも多い。そこに至るまでには,本人の努力はもちろんのこと,関係者によるサポートが必要である。