7-4-2-8図<1>は,地域社会に対する意識を示したものである。地域参加の程度は,非行少年や若年犯罪者の双方でほぼ同様な傾向が示されており,地域の祭り等の行事には比較的多くの者が参加体験があると回答しているが(非行少年78.4%,若年犯罪者69.9%),スポーツ活動(同39.9%,34.1%)やボランティア活動(同24.9%,27.7%)になると,その体験者は多くはない。また,「地域の人は,困ったときに力になってくれる」と地域からの人的支援に信頼を示す者の割合(同38.0%,36.6%)は約4割であるが,「地域の人が喜ぶようなことをしてあげたい」と地域貢献に意欲を示す者の割合(同61.7%,61.0%)は約6割に及んでいる。なお,若年犯罪者で児童自立支援施設等送致歴のある者では,地域のスポーツ活動(8.3%),ボランティア活動(8.3%)ともに参加体験が極端に少なく,地域からの人的支援に信頼を示す者の割合(16.7%),地域貢献に意欲を示す者の割合(33.3%)も若年犯罪者の半分程度と極端に低い。これらの者では,地域社会とのつながりが弱く,地域からの人的支援に対する信頼感や地域貢献意欲が薄いことがうかがわれる(非行少年で同送致歴のある者にはそのような傾向は認められない。)。
7-4-2-8図<2>は,非行少年について,ボランティア活動の参加体験(項目ウ)に対する回答内容別に地域からの人的支援(項目エ)及び地域への貢献態度(項目オ)の回答を見たものであるが,ボランティア活動への参加体験が多い者は,地域からの人的支援に対する信頼感又は地域貢献に対する肯定的態度が高い傾向が認められる(なお,若年犯罪者も同様の傾向が見られる。)。