7-4-2-9図<1>及び<2>は,現在の社会に対する満足度を経年で比較する(非行少年及び一般青少年)とともに,非行少年・若年犯罪者別,保護処分歴別に見たものである。
経年比較で見ると,社会に対する満足度に関して肯定的な回答をした者の割合は,一般青少年(平成21年43.9%)に比べ,非行少年では若干低い水準で推移している(今回37.2%)。非行少年において,保護処分歴別の差は特に認められない。
一方,若年犯罪者では,社会に対する満足度に肯定的な回答を示した者の割合は15.6%と,非行少年の半分以下である一方,現在の社会が不満だと回答した者の割合は38.1%であった(非行少年は21.8%)。
現在の社会が不満だとする者の中で,主要な理由を見ると,「金持ちと貧乏な人との差が大きすぎる」(非行少年66.2%,若年犯罪者73.2%),「正しいと思うことが通らない」(同50.3%,48.6%),「人々の考え方や行動が乱れている」(同46.5%,45.8%)などとなっており,所得の格差や社会的正義・倫理の乱れを不満の理由として挙げる者が比較的多い。
7-4-2-9図<3>は,若年犯罪者について,家庭生活に対する満足度に関する回答内容別に社会に対する満足度に関する回答を見たものである。これらの満足度の関連性を見ると,家庭生活に対して不満を抱いている者は,社会に対しても不満を抱いている傾向が認められる(なお,非行少年も同様の傾向が見られる。)。