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4 家庭と学校における非行
(1)家庭内暴力

少年による家庭内暴力事件の認知件数の推移(昭和63年以降)を就学・就労状況別に見ると,7-2-1-4-1図のとおりである。その件数は,平成の初め頃には,700〜800件前後で推移していたが,平成12年に急増して以降は,1,000件を超える状態が続き,22年は1,484件(前年比25.7%増)であった。就学・就労状況別には,いずれの年でも,最も高い比率を占めるのは中学生であり,22年は46.1%(684件)を占めていた。


7-2-1-4-1図 少年による家庭内暴力 認知件数の推移(就学・就労状況別)
7-2-1-4-1図 少年による家庭内暴力 認知件数の推移(就学・就労状況別)

平成22年における家庭内暴力事件の対象を見ると,母親が889件(59.9%)と最も多く,次いで,家財道具等が223件(15.0%),同居の親族が142件(9.6%),父親が134件(9.0%),兄弟姉妹が96件(6.5%)であった(警察庁生活安全局の資料による。)。

(2)校内暴力

校内暴力事件の事件数及び検挙・補導人員の推移(昭和53年以降)について見ると,7-2-1-4-2図のとおりである。事件数は昭和58年(2,125件)を,検挙・補導人員は56年(1万468人)を,それぞれピークとして,その後減少に転じ,平成8年には448件,897人にまで減少したが,近年はおおむね増加傾向にあり,22年は1,211件(前年比7.7%増),1,434人(同5.5%増)であった。検挙(補導)者の就学状況を見ると,いずれの年も,中学生が圧倒的に多く,22年は,中学生が1,320人(92.1%),次いで,高校生が85人(5.9%),小学生が29人(2.0%)であった。


7-2-1-4-2図 校内暴力事件 事件数・検挙・補導人員の推移
7-2-1-4-2図 校内暴力事件 事件数・検挙・補導人員の推移

(3)いじめ

いじめは,その態様が様々であり,必ずしも全てが刑事司法手続の対象とされるわけではない。また,行為の性質上,実態を把握しにくいのが実情である。

警察において取り扱ったいじめに起因する事件の事件数及び検挙・補導人員は,昭和60年をピーク(638件,1,950人)として長期的には減少傾向にあり,平成22年は,133件(いじめによる事件が130件,いじめの仕返しによる事件が3件)(前年比30件減),281人(前年比32人減)であった(警察庁生活安全局の資料による。)。