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2 犯罪情勢の変化に即した刑罰法規の整備

犯罪に対する刑罰に関しては,様々な新規立法が行われているが,刑法においても,幾つかの重大な改正がなされており,交通犯罪の罰則強化を始め,時代に応じた刑罰法規の整備や法定刑等の見直し等が図られ,犯罪情勢等に対応してより幅の広い科刑や処分を行うことが可能となった。

平成22年4月27日,平成22年法律第26号により,人を死亡させた犯罪について,公訴時効の対象から除外し,又はその期間を延長する改正が行われ,刑の時効もこれに沿って改められた。

さらに,平成23年6月17日,情報処理の高度化に伴う犯罪や悪質な強制執行妨害事犯に適切に対処するなどのため,刑法及び刑事訴訟法等が改正(平成23年法律第74号)され,不正指令電磁的記録に関する罪の新設等の刑罰法規及び電磁的記録に関する記録命令付差押えの新設等の証拠収集手続規定の整備,並びに強制執行妨害行為の処罰対象の拡充や法定刑の引き上げ等がなされた(第1編第3章第23節参照)。