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 平成21年版 犯罪白書 第7編/第2章/第2節/2 

2 量刑

 平成19年版犯罪白書においては,検察庁が電子計算機により把握している裁判の資料等を使用して再犯者の実態に関する分析を行った(同白書第7編第3章参照)。この分析結果に基づき,犯罪者が前科となる犯歴を重ねるにつれ,量刑がどのように変化していくかを知るため,戦後の約60年間において,犯罪者全体並びに窃盗の前科のみを有する者,傷害の前科のみを有する者及び覚せい剤取締法違反の前科のみを有する者について,前科の回数別に,量刑の概要を構成比で見ると,7-2-2-3図のとおりである。
 窃盗及び覚せい剤取締法違反については,同一罪名の犯罪のみを繰り返した者は,1犯目ではいずれも9割以上が執行猶予を言い渡されているのに対し,2犯目では窃盗の約6割,覚せい剤取締法違反の約8割が実刑(懲役)に処せられており,その後も犯歴を重ねるにつれて量刑が重くなっている。

7-2-2-3図 量刑状況(罪名別・前科の回数別)