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 平成21年版 犯罪白書 第7編/第2章/第2節/1 

第2節 検察・裁判

1 起訴人員中の有前科者

 7-2-2-1表は,平成20年に起訴(一般刑法犯及び道交違反以外の特別法犯による起訴に限る。以下,この項において同じ。)された有前科者(罰金以上の刑に係る前科を有する者をいう。以下,この項において同じ。)の人員及び有前科者率(法人及び前科の有無が不詳である者を除いた起訴人員に占める有前科者人員の比率をいう。以下,この項において同じ。)並びに有前科者の犯行時の身上(執行猶予中,仮釈放中又は保釈中)別の人員を本件起訴に係る罪名別に見たものである。

7-2-2-1表 起訴人員中の有前科者人員・有前科者率・犯行時の身上(罪名別)

 有前科者は,窃盗で2万3,968人であり,一般刑法犯起訴人員の24.3%を占め,覚せい剤取締法違反で1万137人であり,道交違反以外の特別法犯による起訴人員の16.9%を占めている。
 有前科者率を罪名別に見ると,覚せい剤取締法違反,毒劇法違反及び暴力行為等処罰法違反では60%を超え,恐喝,脅迫及び窃盗では55%を超えている。
 また,有前科者の人員に占める犯行時に執行猶予中であった者の人員の比率を罪名・罪種別に見ると,薬物事犯(16.0〜21.5%)並びに窃盗(18.2%)及び横領(18.0%)が高い。
 7-2-2-2図は,初犯者(罰金以上の刑に係る前科を有しない者をいう。)・有前科者別の起訴人員及び有前科者率の推移(最近20年間)を罪名別に見たものである。
 有前科者率は,起訴された者の全体で見ると,平成元年以降,約45〜58%で推移し,20年は47.6%であった。これを罪名別に見ると,元年以降,窃盗は約53〜64%(20年は55.7%),傷害・暴行は約45〜58%(同48.1%),覚せい剤取締法違反は約61〜75%(同69.3%)で推移している。

7-2-2-2図 起訴人員(初犯者・有前科者別)・有前科者率の推移(罪名別)