前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択
 平成21年版 犯罪白書 第3編/第1章/第3節/2 

2 裁判所

(1)概況

 平成20年における外国人事件(外国人が被告人となった事件をいう。以下,この項において同じ。)の通常第一審(地方裁判所及び簡易裁判所に限る。以下,この項において同じ。)での有罪人員は5,676人(前年比18.8%減)であり,有罪人員総数に占める比率は7.4%であった(司法統計年報による。)。
 平成20年における被告人通訳事件(被告人に通訳・翻訳人の付いた外国人事件をいう。以下,この項において同じ。)の終局人員は,4,511人(前年比21.8%減)であった。通訳言語は38の言語に及び,通訳言語別に内訳を見ると,中国語1,305人(28.9%),韓国・朝鮮語544人(12.1%),タガログ語523人(11.6%),ポルトガル語393人(8.7%),スペイン語282人(6.3%)の順であった(最高裁判所事務総局の資料による。)。

(2)科刑状況

 3-1-3-4図は,被告人通訳事件の通常第一審における有罪人員(懲役又は禁錮を言い渡された者に限る。以下,この項において同じ。)の推移(最近10年間)を見たものである。
 その人員は,平成16年から減少し,20年は,4,418人(うち,無期懲役は4人)であった。その執行猶予率は78.6%であり,日本人の執行猶予率(58.7%)と比べ,著しく高い。これは,入管法違反において,被告人通訳事件の執行猶予率が91.7%と非常に高いことが影響しているものであり,同法違反を除くと,被告人通訳事件の執行猶予率は,68.8%である(最高裁判所事務総局の資料による。)。

3-1-3-4図 被告人通訳事件 通常第一審における有罪人員の推移