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1 認知件数と発生率 例年,刑法犯の認知件数の約6割を占めてきた窃盗が,平成15年以降5年連続で減少し(詳細は本章第3節参照),これが刑法犯全体の認知件数を減少させた要因となっている。窃盗を除く一般刑法犯の認知件数は,16年まで増加を続けていたが,17年以降3年連続で減少している。 平成19年の刑法犯の罪名別認知件数・発生率は,1-1-1-2表のとおりであり,その罪名別構成比は,1-1-1-3図[1]のとおりである。 刑法犯の発生率の動向は,認知件数とほぼ同様である。平成10年(2,127.2)以降,毎年戦後最高を更新し,14年には2,897.5を記録した。翌15年に低下に転じ,以後,毎年低下して,19年は2,106.0(前年比145.7ポイント低下)となった。 認知件数の罪名別構成比を見ると,窃盗が53.1%と最も高く,次いで,自動車運転過失致死傷等,器物損壊,横領(遺失物等横領を含む。以下,本節において同じ。),詐欺の順であった。 1-1-1-2表 刑法犯の主要罪名別認知件数・発生率・検挙件数・検挙人員・検挙率 1-1-1-3図 刑法犯の認知件数・検挙人員の罪名別構成比 窃盗を除く一般刑法犯の主な罪名等別認知件数の推移(最近30年間)は,1-1-1-4図のとおりであり,器物損壊が平成12年以降急増し(詳細は本章第2節7参照),窃盗を除く一般刑法犯の認知件数を増加させた要因となっていること,横領(平成19年は,横領のうち97.5%は遺失物等横領が占めている。)と詐欺の増加(詳細は本章第2節5参照)なども窃盗を除く一般刑法犯の認知件数の推移に影響を与えていることが分かる。1-1-1-4図 窃盗を除く一般刑法犯の主な罪名等別認知件数の推移 |