初度事犯が初入(以下，本章において，刑務所への入所度数が1度目であることをいう。)であった者は60人であり，そのうち，初度事犯の次の受刑が再度事犯によるものであった者は42人(70.0％)と最も多かった。次いで，初度事犯から再度事犯までの間に，殺人以外の事犯で1回の受刑歴があった者が8人(13.3％)で，同じく2回の受刑歴があった者が4人(6.7％)いた。
　他方，初度事犯が2入(刑務所への入所度数が2度目であることをいう。)以降である者は68人であり，そのうち，初度事犯の次の受刑が再度事犯によるものであった者が34人(50.0％)と最も多く，次いで，初度から再度事犯までの間に殺人以外の事犯で1回の受刑歴があった者が18人(26.5％)，2回の受刑歴の者が8人(11.8％)であった。
　殺人再犯者の初度事犯の次の受刑が再度事犯によるものであった者の再犯期間(本章において，「再犯期間」とは，初度事犯による刑務所出所日から再度事犯の犯行日までの期間をいう。)別人員は，7-4-2-9図のとおりである。
　初度事犯の次の受刑が再度事犯によるものであった者のうち，再犯期間が20年を超える8人は，初度事犯で刑務所を出所後，20年以上，少なくとも受刑生活には至らず社会生活を送っていながら，その後，再度事犯を引き起こした者である。これらの者は，すべて初度事犯が初入の者であった。他方，再犯期間が6月以内の9人のうち，初度事犯が初入の者は6人であった。
　このように，初度事犯の次の受刑が再度事犯によるものであった者の中には，再犯期間が非常に長い者がいる一方で，再犯期間が極めて短い者もいた。これを動機・原因との関係で見ると，再度事犯が「利欲目的」(6人)であった者の全員が，刑務所出所後の再度事犯を4年以内に犯しており，出所後，比較的短期間のうちに生活破綻に至り強盗殺人を犯した事例が例として挙げられる。

7-4-2-9図　初度事犯の次の受刑が再度事犯によるものであった者の再犯期間別人員