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 平成19年版 犯罪白書 第7編/第3章/第1節/2 

2 戦後の犯罪動向の概観

 ここでは,再犯者の実態の詳細な分析に先立ち,100万人初犯者・再犯者混合犯歴を対象として,戦後の犯罪動向について,おおむね10年ごとに,それぞれの年に有罪が確定した者の罪名上位10位までを,自由刑(懲役,禁錮,拘留)を言い渡された者と財産刑(罰金,科料)を言い渡された者とに分けて概観する(7-3-1-2表)。
 自由刑を言い渡された罪名では,窃盗が一貫して第1位であること,昭和55年(1980年)以降は,覚せい剤取締法違反が継続的に第2位を占めていることのほか,第3位から第5位までの罪名(傷害,詐欺,恐喝)には経年による変化がないことが指摘できる。他方,財産刑が言い渡された罪名では,傷害が一貫して第1位であること,順位に変動はあるが,暴行がそれに次ぐ順位となっている年が多いことが指摘できるが,それ以外の罪名については,経年による変化が大きく,様々である。

7-3-1-2表 年次別 犯歴の件数の多い罪名順位