前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択
 平成19年版 犯罪白書 第3編/第2章/第3節/2 

2 矯正

(1)暴力団関係受刑者の収容状況
 全受刑者に占める暴力団関係受刑者の人員及び比率(最近5年間)は,3-2-3-3表のとおりである。

3-2-3-3表 受刑者に占める暴力団関係受刑者の人員

 刑事施設においては,特別改善指導(第2編第4章第4節3(2)ア参照)として,暴力団離脱指導がある。同指導は,警察機関との連携の下,暴力団対策法に規定する暴力団員を対象とし,暴力団離脱に向けた働き掛けを行い,受刑者の有している問題性の除去及び離脱意志の醸成を図ることを目的に,講義,討議,個別面接,課題作文等を行うことによって実施している。

(2)新受刑者中の暴力団加入者の特徴
 平成18年における新受刑者中の暴力団加入者(暴力団対策法に定める指定暴力団等に加入している者をいう。以下,本項について同じ。)の数は,4,143人(新受刑者総数の12.5%)であり,その地位別内訳は,幹部1,238人,組員2,549人,地位不明の者356人であった(矯正統計年報による。)。
 ア 年 齢
 平成18年における新受刑者中の暴力団加入者の年齢層別構成比を見ると,「30歳以上40歳未満」の者が37.4%で最も高く,以下,「40歳以上50歳未満」の者24.8%,「20歳以上30歳未満」の者17.6%,「50歳以上60歳未満」の者15.0%,60歳以上の者5.1%の順であった(矯正統計年報による。)。新受刑者全体と比較すると,暴力団加入者は,「30歳以上40歳未満」の者及び「40歳以上50歳未満」の者の比率が高い。
 イ 罪 名
 平成18年における新受刑者中の暴力団加入者等の罪名別構成比は,3-2-3-4図のとおりである。

3-2-3-4図 新受刑者中の暴力団加入者等の罪名別構成比

 ウ 刑 期
 平成18年における新受刑者中,懲役刑又は禁錮刑を科せられた暴力団加入者の刑期別構成比を見ると,「1年を超え2年以下」の者が36.4%で最も高く,以下,「2年を超え3年以下」の者26.5%,「3年を超え5年以下」の者13.3%,「6月を超え1年以下」の者11.8%,5年を超える者(無期刑を含む。)9.3%,6月以下の者2.7%の順となっている(矯正統計年報による。)。新受刑者全体と比較すると,暴力団加入者は,「2年を超え3年以下」の者,「3年を超え5年以下」の者及び5年を超える者(無期刑を含む。)の比率が高い。
 エ 入所度数
 平成18年における新受刑者中の暴力団加入者の入所度数別構成比を見ると,「1度」29.0%,「2度」19.9%,「3度」14.2%,「4度」9.6%,「5度」8.2%,「6〜9度」14.5%,「10度以上」4.7%となっている(矯正統計年報による。)。新受刑者全体と比較すると,暴力団加入者は,「1度」を除くすべての度数の比率が高い。