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 平成19年版 犯罪白書 第2編/第5章/第1節 

第1節 仮釈放

 仮釈放の目的は,「改悛の状」があり,改善更生が期待できる懲役又は禁錮の受刑者を刑期満了前に釈放し,残刑の期間(仮釈放期間)中は保護観察に付して,円滑な社会復帰を促進することにある。
 仮釈放は,懲役又は禁錮の受刑者について,有期刑については刑期の3分の1,無期刑については10年の法定期間を経過した後,許可することができる(少年法による特例については,第4編第2章第1節4(3)参照)。「改悛の状」の判断に当たっては,[1]悔悟の情が認められること,[2]更生の意欲が認められること,[3]再犯のおそれがないと認められること,[4]社会の感情が仮釈放を是認すると認められること,の四つの事項を総合的に判断し,保護観察に付することが本人の改善更生のために相当であると認められたときに仮釈放が許可される。
 受刑者の帰住予定先を管轄する保護観察所では,刑事施設から受刑者の身上調査書の送付を受けた後,保護観察官又は保護司が引受人と面接するなどして,帰住予定地の状況を確かめ,更生に適した環境作りを働きかける環境調整を実施している。
 環境調整の件数は,受刑者の増加に伴って増加しており,平成18年に新たに環境調整を実施した受刑者は,4万8,579人(前年比1.4%増)であった(保護統計年報による。)。