前の項目 次の項目 目次 図表目次 年版選択 | |
|
3 罪名別動向 (1) 罪名別構成比 平成16年における少年一般刑法犯検挙人員(触法少年の補導人員を含む。以下,本項において同じ。)の男女・年齢層別の罪名別構成比は,4-2-1-11図のとおりである。
少年全体では,窃盗が58.3%,横領(99.8%が遺失物等横領)が26.1%を占めている。 男女とも各年齢層において,窃盗が最も多く,次いで,横領であり,この二つで,男子の約80%,女子の約90%を占めている。男女とも,おおむね年齢層が低いほど窃盗の比率が高く,女子の方が男子よりも窃盗の占める比率が高い(巻末資料4-3参照)。 4-2-1-11図 一般刑法犯検挙人員の男女・年齢層別の罪名別構成比 (2) 殺人・強盗 殺人及び強盗の少年検挙人員の推移(昭和21年以降)は,4-2-1-12図のとおりである。
4-2-1-12図 殺人・強盗の少年検挙人員の推移 殺人は,昭和40年代前半までは200〜400人台で増減を繰り返していたが,40年代後半からおおむね減少傾向を示し,50年代以降おおむね100人未満で推移した。平成10年から13年までは100人を超えたものの,14年以降は再び100人未満に戻り,16年は62人(前年比35.4%減)となった。強盗は,昭和23年(3,878人)と35年(2,762人)のピークを経て減少し,46年には1,000人を割り,その後はおおむね漸減ないし横ばいの傾向にあったが,平成元年から漸増傾向に転じ,8年には26年ぶりに1,000人を超え,15年には1,800人とピークに達した。16年は1,301人(前年比27.7%減)となったが,なお高い水準にある。強盗の大半は,路上強盗である(警察庁生活安全局の資料による。)。 殺人及び強盗の年齢層別少年検挙人員の推移(昭和41年以降)は,4-2-1-13図のとおりである。 4-2-1-13図 殺人・強盗の年齢層別少年検挙人員の推移 殺人は,平成8年,12年及び15年を除き,年長少年が他の年齢層より多い。近年は,おおむね,年長少年が30〜50人台,中間少年が30〜40人台,年少少年が10人台で推移しており,16年は,それぞれ29人(前年比6人減),17人(同24人減),11人(同6人減)となった。強盗は,触法少年を除くいずれの年齢層においても,平成期に入って急増し,近年は,中間少年が700人台,年長少年が500人台,年少少年が300人台で推移していたが,平成16年は,それぞれ,546人(前年比243人減),468人(同144人減),259人(同111人減)であった。 (3) 傷害等 傷害,暴行,脅迫及び恐喝の少年検挙人員の推移(昭和33年以降)は,4-2-1-14図のとおりである。
傷害,暴行及び恐喝は,昭和30年代に入って著しく増加し,これが少年非行の第二の波の特徴の一つを示している。これらは,30年代後半をピークとして,40年代に入ると急激に減少したが,50年代半ばに再び増加に転じ,傷害は57年(1万1,635人),暴行は56年(8,918人),恐喝は61年(9,173人)に,それぞれ再びピークに達した後,いずれもおおむね減少傾向に転じた。 傷害は平成7年に,恐喝は5年に,それぞれ再び増加に転じ,12年にはピーク(傷害1万1,502人,恐喝7,365人)に達したものの,その後は減少しており,16年は,それぞれ6,996人(前年比20.7%減),3,401人(同24.0%減)であった。 暴行は,昭和57年以降おおむね減少傾向にあり,平成16年は1,962人(前年比2.3%減)であった。 4-2-1-14図 傷害・暴行・脅迫・恐喝の少年検挙人員の推移 (4) 窃盗等 ア 概況 窃盗及び横領の少年検挙人員の推移(昭和21年以降)は,4-2-1-15図のとおりである。
窃盗は,少年刑法犯全体の推移に対応して,昭和26年,38年及び58年をそれぞれピークとする三つの波が見られ,58年に過去最多の20万2,028人を記録した後,減少傾向となり,平成4年以降はおおむね10万人前後で推移し,16年は9万347人(前年比5.8%減)であった。 横領(遺失物等横領が100%近くを占める。)の少年検挙人員は,近年おおむね増加傾向にあり,平成16年は4万442人(前年比4.1%減)であった。 4-2-1-15図 窃盗・横領の少年検挙人員の推移 イ 窃盗の手口 平成16年における窃盗の少年検挙人員の手口別構成比は,4-2-1-16図のとおりである。
万引きが52.3%と半数を占めており,次いで,自転車盗(19.5%),オートバイ盗(10.8%)の順であった(警察庁の統計による。)。 4-2-1-16図 窃盗の少年検挙人員の手口別構成比 ウ 窃盗の種類別動向 侵入盗,非侵入盗及び乗物盗という種類別に窃盗の少年検挙人員の推移(昭和55年以降)を見ると,4-2-1-17図のとおりである。
近年は,侵入盗及び乗物盗が減少傾向にある。 4-2-1-17図 窃盗の種類別少年検挙人員の推移 (ア) 侵入盗 侵入盗は,昭和60年をピーク(1万9,751人)として減少傾向にあり,平成16年は4,355人(前年比5.2%減)であった。
(イ) 非侵入盗 非侵入盗のうち,万引きは,昭和56年をピーク(8万3,891人)として減少傾向にあったが,平成5年から増加に転じ,9年,10年と6万人を超えた。11年以降は4万人台後半で推移し,16年は4万7,218人(前年比0.2%増)であった(警察庁の統計による。)。
また,ひったくりは,平成7年に1,000人を超え,11年には2,641人に達したが,その後は減少傾向にあり,16年は1,462人(前年比30.4%減)であった(警察庁の統計による。)。 (ウ) 乗物盗 乗物盗は,昭和59年をピーク(7万7,090人)として減少傾向にあり,平成16年は2万8,713人(前年比11.3%減)であった。特にオートバイ盗の減少が目立っている(警察庁の統計による。)。
(5) その他の刑法犯 その他の少年一般刑法犯の主要罪名別検挙人員は,巻末資料4-3及び4-4のとおりである。
近年,詐欺の認知件数が急増しているが(第1編第1章第2節4参照),これと同様に詐欺の少年検挙人員も急増しており,平成16年は1,106人(前年比58.0%増)であった。 |