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 平成17年版 犯罪白書 第4編/第2章/第1節/4 

4 共犯事件

(1) 共犯率

 平成16年の一般刑法犯(道路上の交通事故に係る危険運転致死傷を除く。以下,本項において同じ。)検挙件数(捜査の結果,犯罪が成立しないこと又は訴訟条件・処罰条件を欠くことが確認された事件を除く。以下,本項において同じ。)64万9,708件のうち,単独犯による事件は50万9,985件(総数の78.5%),共犯による事件は13万9,723件(同21.5%)であり,成人のみによる事件(成人単独犯による事件及び成人のみの共犯による事件)は50万8,423件(同78.3%),少年のみによる事件(少年単独犯による事件及び少年のみの共犯による事件)は13万779件(同20.1%),成人と少年の共犯による事件は1万506件(同1.6%)であった(警察庁の統計による。)。
 平成16年の一般刑法犯検挙件数のうち成人のみによる事件と少年のみによる事件について,共犯者数別構成比を主要罪名別に見ると,4-2-1-18図のとおりである。
 共犯率(事件総数に占める共犯による事件数の比率をいう。以下,本項において同じ。)は,少年のみによる事件では26.8%(前年比0.5ポイント低下),成人のみによる事件では18.5%(同3.0ポイント上昇)であった。

4-2-1-18図 一般刑法犯主要罪名別検挙件数の少年・成人事件別の共犯者数別構成比

 少年のみによる事件について,共犯率が最も高い罪名は,恐喝(60.5%,前年比0.9ポイント低下)であり,次いで,強盗(57.8%,同10.4ポイント低下),傷害(35.5%,同4.3ポイント低下)の順となっており,いずれも,成人のみによる事件の共犯率(恐喝35.8%,強盗26.5%,傷害9.7%)を大きく上回っている。また,4人以上の共犯による事件の比率が最も高いのは,強盗(21.8%)であった。

(2) 暴走族

 暴走族の構成員数及びグループ数の推移(昭和53年以降)は,4-2-1-19図のとおりである。
 構成員数は,昭和56年及び57年の4万人台をピークとして減少傾向にあり,平成16年は1万5,392人(前年比13.1%減)であった。他方,グループ数は,増加傾向にあったが,15年以降減少に転じ,16年は1,042(同16.7%減)であった。グループの規模は,構成員30人以上のグループが7年には9.6%を占めていたのに対し,16年には1.6%となっており,小規模化傾向がうかがわれる(警察庁交通局の資料による。)。

4-2-1-19図 暴走族の構成員数・グループ数の推移