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 平成12年版 犯罪白書 第7編/第7章/6 

6 おわりに

 平成5年以降減少傾向にあった暴力団構成員等は,8年以降は漸増の傾向にある。行刑施設においては,暴力団加入者中の再入者の比率は暴力団非加入者のそれに比べてかなり高く,特別調査の結果によれば,暴力団離脱指導への参加者も,暴力団関係受刑者の2割に満たない。また,暴力組織関係保護観察付き執行猶予者に関する特別調査でも,調査対象者のうち,保護観察中に再犯があった者が半数を超えている。
 平成12年2月に「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」が,同8月に「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律」が施行されており,これらの法律は,暴力団犯罪の取締りの上でも効果を発揮することが期待されているが,このような処罰等に関する法制及びその運用の強化に加えて,犯罪者の改善更生のための処遇面において,暴力団員等を組織から離脱させ,社会に復帰させるよう働きかけることも,この種犯罪に対する対策として重要である。関係機関の相互の連携の下に,引き続き,犯罪に対する厳正な事件処理とともに,矯正及び更生保護における処遇の一層の充実強化に努めることが求められているといえよう。