第3節 競売妨害事案の実態調査結果
1 調査の概要 法務総合研究所では,企業倒産をめぐる犯罪の実態等を調査・分析し,この種事犯の特質及び科刑状況を明らかにするための特別調査を実施した。 前記のとおり,企業倒産をめぐって敢行されることが多い犯罪である強制執行妨害,競売入札妨害及び破産法違反の中でも,検察庁における新規受理及び終局処理人員並びに裁判所における終局処理人員の大半を占めるのは,競売入札妨害に関するものであり,一方,強制執行妨害や破産法違反の事案でも,犯行の手口等においては,競売入札妨害の事案と共通するものも少なくない。そこで,本調査は,競売入札妨害事案のうち,公の入札のみに関するもの(例えば,入札方式による公共事業発注に際して,いわゆる予定価格を内報するなどの行為が,これに含まれる。)以外の事実につき,平成6年1月1日から10年12月31日までの5年間に,第一審において有罪判決が言い渡され,その後有罪が確定した事件(他の事件と併合審理されたものを含む。)を対象として,判決書及び事件記録に基づいて行ったものである。 調査対象となったのは,68件・124人である。
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