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2 少年審判 III-26図は,昭和25年以降における少年保護事件の家庭裁判所受理人員の推移を,一般保護事件及び道路交通保護事件(道交違反に係る少年保護事件)の別に見たものである。
III-26図 少年保護事件の家庭裁判所受理人員の推移 受理人員総数は,昭和41年に109万4,339人と最高に達した後減少したが,50年以降増加して,58年に68万4,830人と次のピークに達し,その後平成7年まで減少した。8年からは再び増加を続けていたが,11年は29万7,505人で,前年より2万1,003人(6.6%)減少している。一般保護事件の受理人員は,昭和58年に30万2,856人と最高に達した後,平成7年まで横ばい又は減少の傾向を示し,8年以降は増加を続けていたが,11年は19万7,984人で,前年より1万5,647人(7.3%)減少している。 一方,道路交通保護事件の受理人員は,昭和61年までは一般保護事件の受理人員より多かったが,62年に交通反則通告制度の適用範囲が拡大されたことにより,同年以降減少した。平成8年及び9年は増加したが,その後は減少し,11年は9万9,521人で,前年より5,356人(5.1%)減少している。 III-27図は,平成6年から10年までの5年間における少年保護事件の家庭裁判所終局処理人員の推移を主要罪名別に見たものである。 III-27図 主要罪名別少年保護事件の家庭裁判所終局処理人員の推移 殺人は,増減を繰り返していたが,平成10年は,前年の倍近い62人となっている。強盗は,9年まで増加を続け,特に同年の増加が大幅であったことから,6年と比較して2倍以上の終局処理人員を計上するに至ったが,10年は,前年よりやや減少している。傷害及び窃盗は,いずれも7年にやや減少したほかは,増加を続けている。放火は,増減を繰り返しながらも,やや増加の傾向にある。交通関係業過は,一貫して減少している。覚せい剤取締法違反は,6年から9年の間にほぼ倍増したが,10年は,大幅に減少して,ほぼ7年の水準に戻っている。道交違反は,9年を除いて,減少を続けている。III-28図は,平成10年における交通関係業過,道交違反及び虞犯を除く少年保護事件について,家庭裁判所の終局処理状況を見たものである。 III-28図 少年保護事件の家庭裁判所終局処理人員構成比 終局処理人員を罪名別に見ると,窃盗(60.1%)が最も多く,以下,遺失物等横領を含む横領(21.1%),傷害(5.6%),恐喝(3.5%),毒劇法違反(2.2%)の順となっている(巻末資料III-11参照)。III-29図は,平成10年における主要罪名別の少年保護事件について,家庭裁判所の終局処理状況を見たものである。 III-29図 主要罪名別犯罪少年の家庭裁判所終局処理人員構成比 傷害,窃盗,交通関係業過及び道交違反については,半数以上が,審判不開始又は不処分である。一方,殺人,強盗,放火及び覚せい剤取締法違反については,保護観察,少年院送致等の保護処分の構成比が,いずれも70%を上回っている。また,検察官送致の構成比は,殺人が24.2%,道交違反が11.2%であるが,強盗,放火,交通関係業過及び覚せい剤取締法違反は,いずれも5%未満であり,傷害及び窃盗は,いずれも1%未満である。III-30図は,平成10年における虞犯少年に対する家庭裁判所の終局処理状況を見たものである。 III-30図 虞犯少年の家庭裁判所終局処理人員構成比 交通関係業過,道交違反及び虞犯を除く少年保護事件と比較すると,保護観察,少年院送致等の保護処分の比率が高い。 |