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 平成12年版 犯罪白書 第2編/第6章/第1節 

第6章 刑事司法における国際協力

第1節 概説

 国際的な麻薬取引やテロ,あるいは国際犯罪組織による組織的事犯に適切に対処するためには国際協力が不可欠であり,国際連合や主要国首脳会議等において,国際協力の強化に向けた取組が展開されている。
 一方,最近の我が国の犯罪情勢を見ると,犯罪地が外国であったり複数国にまたがったりするなど,犯罪そのものの面での国際化現象と,来日外国人による犯罪が増加するなど,犯罪者の面での国際化現象とが見られる。こうした犯罪及び犯罪者の国際化は,国外逃亡事例の増加をもたらしているほか,刑事手続にも影響を及ぼしている。近年,国外に存在する証拠の収集,逃亡犯罪人の身柄確保及びその引渡し等,捜査及び裁判の分野において国際協力を要する事例が相当数発生しており,これに応じて諸外国との間の協力関係が進展している。
 本章では,刑事司法の分野における国際的な取組の動向,犯罪者の国外逃亡の状況,刑事手続における国際協力の現状等を概観する。