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 平成12年版 犯罪白書 第2編/第4章/第1節 

第4章 成人矯正

第1節 概説

 行刑施設には,刑務所,少年刑務所及び拘置所がある。刑務所及び少年刑務所は,主として懲役,禁錮及び拘留の刑に処された者を刑の執行のために収容し,これらの者に対し必要な処遇を行うことを主な任務とする監獄であり,拘置所は,主として未決拘禁者(勾留中の被告人及び被疑者をいう。以下同じ。)を収容する監獄である。
 行刑施設の数は,平成12年4月1日現在,本所74(刑務所59,少年刑務所8,拘置所7),支所116(刑務支所6,拘置支所110)である。
 平成11年12月31日現在における行刑施設の収容定員は6万4,164人(うち,既決拘禁者の収容定員は4万8,256人),収容人員は5万6,133人(うち,既決拘禁者の収容人員は4万5,606人)であり,収容率(収容定員に対する収容人員の比率)は全体では87.5%,既決拘禁者では94.5%となっている(法務省矯正局の資料による。)。行刑施設に勤務する職員は,法務事務官で監獄法上の戒護権を有する刑務官のほか,法務技官,法務教官等である。
 なお,現行の監獄法は,明治41年に制定されて以来,実質的な改正が行われていないため,その内容・形式共に時代に適合しなくなっている上,関係省令,訓令・通達等が多々発出され,監獄法令の体系が複雑で分かりにくくなっている。そこで,刑務所,拘置所等の適正な管理運営を図るとともに,被収容者の権利義務の明確化,被収容者の法的地位や特質に応じた適切な処遇,受刑者の改善更生に資する制度の整備等,被収容者の処遇全般にわたり大幅な改善を図るため,監獄法の全面改正に向けた検討が進められている。