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在外公館が邦人保護事務を通して把握した日本人の国外における犯罪被害状況を見ると,平成11年は,件数が6,676件(前年より2.9%増),人員が7,591人(同1.7%増)となっている(外務大臣官房領事移住部の資料による。)。
被害の大半は窃盗で,平成11年は,総件数の78.3%(5,228件)を占めており,次いで,強盗の14.1%(938件),詐欺の4.7%(316件)となっている。 被害地域別では,欧州地域が42.8%(2,860件)で最も高く,次いでアジア地域の28.5%(1,905件),北米地域の16.3%(1,090件)の順となっている。地域別日本人渡航者数10万人当たりの被害件数では,欧州地域が130.8人,アジア地域が25.5人,北米地域が20.6人の順となっており,渡航先別の渡航者数の順位とは異なっている(I-21図参照)。 被害の内訳を地域別に見ると,欧州地域では,窃盗が81.4%(2,329件),強盗の15.9%(456件),詐欺の1.7%(50件)の順であり,アジア地域では,窃盗が71.6%(1,364件),詐欺の11.5%(220件),強盗の10.8%(205件)の順となっており,北米地域では,窃盗が93.3%(1,017件),強盗の3.9%(43件),詐欺の1.3%(14件)の順となっている。被害の上位3位は,これらの地域で共通であるが,地域によって窃盗,強盗,詐欺の被害を受けた者の比率及び順位に相違が見られる。 また,犯罪被害による死亡者数は,平成2年度(会計年度)以降(6年度までは会計年度,7年以降は暦年。),10人台から20人台で推移しており,11年は24人となっている。一方,傷害・暴行,強盗等の犯罪被害による負傷者数は,11年には292人と,2年度の63人の4.6倍に増加しており,海外渡航者数の伸びを大きく上回っている。 |