平成11年における特別法犯に関する主要なデータは，次のとおりである。
平成11年の主要なデータ(特別法犯)
　　　　　　　　検察庁新規受理人員(構成比)(前年比)
[1]道路交通法違反　　　1,016,622人(88.6％)(1,733人減)
[2]保管場所法違反　　　　38,804人　(3.4％)(1,068人減)
[3]覚せい剤取締法違反　　25,151人　(2.2％)(2,932人増)
[4]入管法違反　　　　　　　9,391人　(0.8％)　(522人減)
[5]毒劇法違反　　　　　　　7,038人　(0.6％)　(670人減)
[6]軽犯罪法違反　　　　　　6,026人　(0.5％)(1,176人増)
[7]公職選挙法違反　　　　　5,223人　(0.5％)(3,595人増)
[8]銃刀法違反　　　　　　　3,965人　(0.3％)　(234人減)
[9]道路運送車両法違反　　　3,141人　(0.3％)　(123人増)
[10]廃棄物処理法違反　　　2,800人　(0.2％)　(246人増)
　その他　　　　　　　　　29,234人　(2.5％)
　総計　　　　　　　　1,147,395人(100.0％)(3,681人増)
　　　　　　　　　　　　　　　　(検察統計年報による。)
　前記のデータは，特別法犯(条例違反を含む。)の検察庁新規受理人員(検察庁が新規に受理した事件の人員で，検察庁間の移送，家庭裁判所からの送致及び不起訴処分にした事件について捜査を再開する場合等の再起の各人員を含まない。以下同じ。)を，多いものから上位10罪名について見たものである。道路交通法違反(交通反則通告制度が適用され，反則金が納付された事件の人員を含まない。)及び保管場所法違反の人員が，特別法犯の検察庁新規受理人員総数の92.0％，刑法犯も含めた検察庁新規受理人員総数の48.4％を占めている。
　I-10図は，昭和24年以降における，特別法犯総数及び道交違反を除く特別法犯の検察庁新規受理人員総数の推移を見たものである。

I-10図　特別法犯の検察庁新規受理人員の推移

　特別法犯総数は，昭和20年代後半から40年代初めまでの道交違反の激増に伴い，40年に514万389人と最高値を示した後急減し，63年以降は100万人台前半で推移している。
　道交違反を除く特別法犯は，戦後の混乱期における食糧管理法等の経済統制法令違反の激増に伴い，昭和24年に86万160人と最高値を示した後急減し，その後はおおむね10万人台で推移しながら漸減し，平成4年以降は8万人台から9万人台で推移している。
　平成11年の検察庁新規受理人員における交通関係を除いた特別法犯を，薬物関係，外事関係，保安関係，風俗関係，環境関係，労働関係，経済関係，選挙関係等の各特別法犯と条例違反に分類して，それぞれの構成比を見たのがI-11図である。11年における構成比を前年と比較すると，薬物関係が2.1ポイント低下しながらも1位を維持し，前年2位であった外事関係に代わって，保安関係が2位となっている。

I-11図　交通関係を除く特別法犯の検察庁新規受理人員構成比