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 平成12年版 犯罪白書 第1編/第1章/第2節/3 

3 財産犯

 最近10年間の窃盗,詐欺,遺失物等横領を除く横領及び遺失物等横領の認知件数,検挙件数並びに検挙人員の推移は,I-6図のとおりである。平成11年には,前年と比べ,窃盗は,認知件数は増加したものの,検挙件数及び検挙人員は減少した。遺失物等横領は,認知件数,検挙件数及び検挙人員のいずれも増加し,詐欺及び遺失物等横領を除く横領は,認知件数,検挙件数及び検挙人員のいずれも減少した。

I-6図 財産犯の認知件数・検挙件数・検挙人員の推移

 平成11年には,前年と比べ,窃盗は,認知件数が12万1,344件(6.8%)増加したものの,検挙件数が3万6,135件(6.0%),検挙人員が9,182人(5.1%),それぞれ減少し,遺失物等横領は,認知件数が3,610件(5.6%),検挙件数が3,600件(5.6%),検挙人員が3,366人(5.0%),それぞれ増加した。一方,詐欺は,認知件数が4,848件(10.0%),検挙件数が6,065件(13.7%),検挙人員は473人(5.5%)それぞれ減少し,遺失物等横領を除く横領も,認知件数が126件(9.3%),検挙件数が130件(10.5%),検挙人員が123人(13.9%)それぞれ減少した。11年における罪種別の発生率は,窃盗が1,508.0,詐欺が34.3,遺失物等横領を除く横領が1.0,遺失物等横領が53.4である。
 平成11年における窃盗を手口別に見ると,その構成比はI-7図のとおりであり,重要窃盗犯といわれる,侵入盗,すり,ひったくり及び自動車盗の認知件数の合計が,36万7,174件と全体の19.2%を占めている(巻末資料I-5参照)。また,重要窃盗犯の検挙率は53.7%であるが,窃盗犯全体の検挙率は29.4%となっており,大きな差が見られる。

I-7図 窃盗の手口別構成比