非行少年は行為者の年齢，行為の態様などによって，次のような種類に分けることができる。
犯罪少年……一四才以上二〇才未満の少年で刑法犯を犯した者
触法少年……一四才未満の少年で刑罰法令に触れる行為を犯した者
ぐ犯少年……その性格，行状などから判断して，将来罪を犯すおそれのある少年
特別法犯少年……道路交通法などの特別法令に違反した一四歳以上の少年
　これらのうち触法少年，ぐ犯少年，特別法犯少年についてはその行為の特質から暗数がかなり多いと考えられ，また取締りの寛厳などによって，表面にあらわれた数字に相当の変動がみられるのが普通であり，その実態と動向を正確には握することは困難である。これに対して，犯罪少年は行為の規定も明確で，検挙率も比較的恒常的であるので，その動向を正確には握することは容易である。したがって，ここでは犯罪少年とその他の非行少年(触法，ぐ犯，特別法犯少年)に大別し，まず前者について正確な動向を分析し，問題の性質によっては後者についても考察を加え，だいたいの傾向を展望することとする。