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更生保護の措置のうち,委託保護の大部分は,法務大臣から認可をうけた民間の篤志家によって経営される更生保護会に委託して行なわれる。更生保護会は,その行なう事業の種類によって,直接更生保護会と連絡助成保護会とに分かれる。直接更生保護会は,更生保護措置を要する者と保護観察中の者で救護または援護を要する者の収容保護にあたっている。
この収容保護というきわめて困難な更生保護事業を担当している直接更生保護会は,その大部分が,民間団体の経営による民法上の公益法人で,法務省保護局が昭和三八年三月一日現在で調査した結果によると,II-121表に示すように,全国で一六七団体(うち一四団体は事業休止中)存在し,四,三二三人の収容定員を有しており,昭和三六年中には,実人員二六,四二八人(一日平均三,〇九三人,定員の七六%)を収容保護している。しかし,更生保護会の専従職員の収入は,同じく保護局の昭和三七年五月一日現在の調べによれば,平均一〇,五六二円にすぎず,また更生保護会の収入源をみると,およそ七割が寄附金,市町村等からの助成金および借入金等の不安定財源に依存している状態である。連絡助成保護会は,主として直接更生保護会の指導,連絡,または助成を行なう保護会であって,昭和三八年三月一日現在,全国に五九団体が設立されているが,いまだその機能が十分に発揮されるまでにはいたっていない。 II-121表 直接更生保護会の種類別施設数と収容定員 今後,このような更生保護会の活動をますます充実せしめるためには,まず職員の質の向上と更生保護会自体の経済的基礎の強化が望まれるのである。 |