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 昭和38年版 犯罪白書 第二編/第七章 

第七章 更生保護

 満期釈放者,刑執行免除者,刑執行猶予の言渡しをうけ,その裁判が確定するまでの者,刑執行猶予者で保護観察に付されなかった者および訴追を必要としないため公訴を提起しない処分をうけた者(起訴猶予者)に対しては,再犯の危険を防止するため,刑事上の手続による身体の拘束を解かれた後,六月以内にかぎって,更生緊急保護法により,本人の申し出があったとき,補導,宿泊所の供与,食事付き宿泊の供与,食事の給与,医療および保養の援助,帰住の援助および金品の給与または貸与等の保護措置を実施することができることになっている。このような更生保護は,これら犯罪前歴者が,親族や縁故者からの援助や公共の衛生,福祉等の施設からの保護を受けることのできない場合,または,これらの援助もしくは保護のみによっては更生できないと認められる場合に,本人の申し出によって,緊急の保護措置として行なわれるのである。この保護措置のうち,食事付き宿泊供与や宿泊供与等は,更生保護会(または地方公共団体)に委託して行なわれ(委託保護という),他は保護観察所がみずから行なうこととなっている(自庁保護という)。昭和三六年における更生保護措置状況は,II-120表のとおりである。

II-120表 更生保護措置状況(昭和36年)