婦人補導院収容者の多くは,心身面や居住環境などに複雑な事情を有しており,また法律上収容期間に六月という制約があるため,仮退院の制度を十分活用できない状態である。出院者中仮退院者の占める率は,前掲した
II-92表のように低く,しかも累年減少の傾向にある。また院内での成績がよくて,仮退院の申請が提出されても,帰住環境などの調整がつかず,仮退院が許されない事例もあり,
II-103表はその許否の状況を示すものである。なにぶんにも,仮退院者の数がごく限られているので,ここでは,以上概況のみを述べるにとどめる。
II-103表 婦人補導院仮退院の新受と決定の状況(昭和33〜36年)