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 平成10年版 犯罪白書 第3編/第6章/第3節/5 

5 不処分及び審判不開始の理由

 昭和42年以降の30年間について,業過を含む一般保護事件の不処分の理由(保護的措置(調査・審判の過程で,家庭裁判所調査官・裁判官により教育的・保護的措置がとられた場合),別件保護中及びその他(非行無し,所在不明等))別人員の推移を見たものがIII-117図であり,審判不開始の理由(保護的措置,別件保護中,事案軽微及びその他(非行無し,所在不明等))別人員の推移を見たものがIII-118図である。

III-117図 不処分の理由別人員(昭和42年〜平成8年)

III-118図 審判不開始の理由別人員(昭和42年〜平成8年)

 不処分については,毎年,保護的措置を理由とするものが92%以上を占めており,別件保護中を理由とするものは2%から8%の間で推移し,その他の非行無し,所在不明等を理由とするものは1%に満たない。
 審判不開始については,保護的措置及び事案軽微を理由とするものが大半であるが,昭和62年以降の10年間は,保護的措置が下降傾向を示しているのに対し,事案軽微が上昇傾向を示しており,平成8年には約53%に達していて,約45%の保護的措置を上回っている。別件保護中を理由とするものは,2年以降は1%台であり,その他の非行無し,所在不明等を理由とするものは1%に満たない。
 さらに,非行無しを理由として不処分及び審判不開始とされた人員並びにその構成比の推移を,昭和42年以降の30年間について見たものがIII-119図である。近年は,人員・構成比共に減少・低下傾向を示している。

III-119図 非行無しを理由とする不処分・審判不開始人員及び構成比(昭和42年〜 平成8年)

 III-120図は,殺人,強盗,強盗致傷及び覚せい剤取締法違反について,昭和44年以降の,非行無しを理由とする不処分・審判不開始人員の推移を見たものである。

III-120図 非行名別非行無しを理宙とする不処分・審判不開始人員(昭和44年〜平成8年)

 昭和44年蚊以降の28年間に,殺人で38人・強盗で43人・強盗致傷で13人覚せい剤取締法違反で151人が,それぞれ非行無しとして不処分・審判不開始とされている。