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1 少年保護事件の終局処分の状況 III-111図は,昭和32年以降の40年間について,少年保護事件の主な終局処分の構成比の推移を,業過を除く一般保護事件(以下,本節では特に断りのない限り「一般保護事件」という。),業過及び道路交通保護事件別に見たものである。
III-111図 少年保護事件種類別の主な処分別構成比(昭和32年〜平成8年) 一般保護事件においては,審判不開始が上昇傾向を示しており,近年は70%を超えている。これに対し,検察官送致(刑事処分相当),少年院送致,保護観察及び不処分は,いずれもおおむね低下傾向を示しており,昭和62年以降の10年間は,検察官送致が0.2%から0.4%,少年院送致が2%から3%,保護観察が7%台から10%台,不処分が12%台から17%台の間で推移している。業過事件においては,近年は検察官送致の比率が低下傾向にあり,平成5年以降は2%台となっているのに対し,最も高い比率を占めているのが不処分であり,昭和50年代半ば以降はおおむね50%前後となっている。保護観察は,交通短期保護観察制度が導入された52年以降急激に上昇し,54年以降は20%台で推移している。少年院送致は0.1%から0.2%と一貫して低い。 道路交通保護事件においては,交通反則通告制度が少年にも適用されることとなった昭和45年を境に,審判不開始の比率が下降する方,不処分の比率が上昇し,近年,審判不開始は16%台から19%台,不処分は40%前後で推移している。保護観察は,交通短期保護観察が導入された52年以降上昇傾向を示し,平成8年には約31%となっている。 |